その「腹筋」のフォーム、間違っていませんか?鍛えたい筋肉にピンポイントで効かせる「正しい腹筋」の方法
2020年10月07日筋トレ民の間で評判の1冊、『1日3分で筋肉は作れる!! 坂詰式正しい「筋トレ」の教科書』。
著者の坂詰真二さんに、スクワット・腕立て伏せ・腹筋の3大基本メニューについて、正しいフォームを教えていただいています。
スクワット編、腕立て伏せ編に続き、最後となる腹筋編です。
坂詰真二(さかづめ・しんじ)
NSCA認定ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト。同協会認定パーソナルトレーナー。「スポーツ&サイエンス」代表。横浜市立大学文理学部卒。株式会社ピープル(現コナミスポーツ)で教育担当職を歴任後、株式会社スポーツプログラムスにてアスリートへのコンディショニング指導を担当。1996 年に「スポーツ&サイエンス」を興し、指導者育成、各種メディアを通じての運動指導などで活躍中。『坂詰式正しい筋トレの教科書』『今日から自宅がジムになる「宅トレ」』(ともにカンゼン)など著書多数。
公式ブログ:トレーナー坂詰真二のスポーツ&サイエンス
正しい腹筋のやり方・正しい腹筋のフォームのカギは「代償を封じること」にあり
──スクワット、腕立て伏せとお話をうかがってきましたが、いよいよ最後の腹筋についてです。
坂詰真二さん(以下・敬称略):まずそもそものお話なのですが、いわゆる「腹筋」というと中学や高校の部活でやるような、上体を完全に起こす「シットアップ」を連想するのではないかと思います。
しかしボディメイクをしたい場合はシットアップではなく、背中だけを丸める「アブドミナルクランチ(以下クランチ)」がおすすめです。
▲『1日3分で筋肉は作れる!! 坂詰式正しい「筋トレ」の教科書』(カンゼン)より転載
──部活で何回もやらされた思い出があります。
坂詰:そうですよね。今日ご紹介する腹筋運動はクランチになります。記事を読む前に、まずイスをご用意ください。
▲『1日3分で筋肉は作れる!! 坂詰式正しい「筋トレ」の教科書』(カンゼン)より転載
坂詰:皆さんに馴染みがあるシットアップは、腹直筋などの腹筋群を使って背中を丸めた後、腸腰筋などを使って股関節を曲げる運動なので、負荷が分散してしまいます。
また、シットアップに慣れているとクランチをする際にも股関節を曲げてしまいがちです。これを代償動作と言います。いかに代償を抑えてシットアップを効かせられるかが鍵になるのですが、床に寝た体勢だと股関節も曲げているのか否かを判断するのは容易ではありません。
──なるほど。
坂詰:そこで初めにイスに座って背もたれに骨盤をつけたまま、自分の背中をどれくらい曲げることができるのか、自分の目線に太もものどこがくるのかを確認すると、正しいフォームを作りやすくなるのです。
ボディメイクを加速させる健康飲料【ULTORA(ウルトラ)】
腹筋の正しいフォーム|股関節・ヒザは90度
▲『1日3分で筋肉は作れる!! 坂詰式正しい「筋トレ」の教科書』(カンゼン)より転載
──なるほど。その上で実際にクランチを行うときには、どんな点に気を付けたらよいでしょうか?
坂詰:腹筋を行うときは、イスのそばで床に横になってヒザ下をイスの座面に乗せます。このとき、股関節とヒザの角度が90度になるように位置を調整します。
イスが体から離れて腰と床の間のすき間が大きくなってしまう、つまり腰が反ってしまうとうまく背中を丸めることができません。この体勢から、先ほどイスに座って確認した状態まで、背中を丸めて行きます。
腹筋の正しいフォーム|足が椅子から浮かない
坂詰:もし腸腰筋が働いて股関節が曲がると、両足が椅子の座面から浮きそうになるので、これも正しくできているかどうかの大きな目安になりますよ。
足が椅子の座面から浮く手前までしっかり背中を丸める、これなら自然と腹筋群だけに効かせることができます。
腹筋の正しいフォーム|わきを締めて、手は側頭部
▲『1日3分で筋肉は作れる!! 坂詰式正しい「筋トレ」の教科書』(カンゼン)より転載
──ほかに、腹筋に効かせるためのポイントはありますか?
坂詰:手や腕もポイントになります。腹筋をしていて首の前が疲れてしまうことはありませんか?
──あります!
坂詰:それは首の筋肉は後ろよりも前が圧倒的に弱いからです。
そこで手で頭を支える必要があるのですが、両手で後頭部を支えると上体を起こす際に肘を閉じる勢いを利用しやすくなり、腹筋に対する負荷が弱まるだけでなく、腕を閉じる際に首を強く曲がってしまい首を痛めてしまいがちです。
──怪我の原因にもなってしまいそうです。
坂詰:私が推奨しているのは両手の指先だけで後頭部を支え、両肘を閉じる方法。こうすれば重い頭を支えつつ、腹筋にきっかり効かせる、この2つを両立させることができます。
腹筋をする際の正しい呼吸法は「吐きながら起きて、吸いながら戻る」
──腹筋をするときの呼吸法も確認させてください。
坂詰:吐きながら上体を起こし、吸いながら戻ります。繰り返しになりますが、上に上がる動作で息を吐き、下に下がる動作で息を吸うという基本通りです。動作の時間も同じですね。背中を丸める上への動きは1秒、床に戻る下への動きは2秒です。
>>有名大学教授陣が検証済み。多くの整形外科医も警鐘する。最新のストレートネック枕
腹筋の正しいやり方に女性と男性の違いはなし!負荷にだけ注意
──女性と男性で気を付ける点に違いはありますか?
坂詰:代償や反動に頼らないためのフォーム作りのポイントは男女同じです。ただし腹筋に限りませんが女性は男性と比べて、一般に筋力が弱いですから、無理は禁物。
自分の筋力を超えた強度の高い方法では効果も上がりませんし、怪我のもとです。
▲『1日3分で筋肉は作れる!! 坂詰式正しい「筋トレ」の教科書』(カンゼン)より転載
坂詰:今日は一般的なアブドミナル・クランチを紹介しました。それより負荷が低い腹筋には、サポーティッド・クランチ、クロスアーム・クランチなどがあります。女性の方、男性でも運動不足の方はこれらから始めてください。
どの方法でも「背中をしっかり丸めて腹筋だけを使うこと」がポイントとなります。
──やはり背中をしっかり丸めることが大事なんですね。
坂詰:サポーティッド・クランチはタオルを使います。タオルの真ん中に頭を置いて、ヒジを直角に曲げてタオルの両端を持って行います。クロスアーム・クランチは、胸の前で手をクロスさせて行います。
──クランチにも強度別にいろいろな種類があるのですね。
坂詰:逆に今日ご紹介したアブドミナル・クランチより負荷が高い腹筋には、ストレート・アーム・クランチがあります。頭を頭上に伸ばして行います。ヒジを伸ばして両腕で顔を挟む形ですね。こうすると負荷がより高まります。
正しい姿勢が疲れるときはストレッチがおすすめ
──日常生活で正しい姿勢でいるのが疲れるという声があります。腹筋が原因になっていることはありますか?
坂詰:腹筋が縮こまると、猫背になったりして正しい姿勢が取りにくくなります。柔らかい筋肉を取り戻すと正しい姿勢に改善できます。できれば毎日「上体反らし」などのストレッチをするのが効果的です。
──わかりました。たくさんの面で勉強になりました。ありがとうございました!
坂詰:こちらこそありがとうございました。
基本の3大メニュー、スクワット・腕立て伏せ・腹筋の正しいフォームを『1日3分で筋肉は作れる!! 坂詰式正しい「筋トレ」の教科書』の著者、坂詰真二さんに教わってきました。
隅々まで理論に基づいた坂詰式ならではのノウハウを知ることができたのではないでしょうか。
同書では、これらの3つのトレーニングのほか、さらにまんべんなく全身を鍛えるためのトレーニングのメニューや、さらに効果を高めるためのストレッチのメニュー、生活習慣で気を付ける点などにまとめられています。
目的・体型別になっているので自分にぴったりのメニューや方法をすぐに見つけることができますよ!
腹筋もこちらの動画で正しいフォームをチェックしましょう!
・・・
【話題の本】
『1日3分で筋肉は作れる!! 坂詰式 正しい「筋トレ」の教科書 ~間違ったフォームでは筋肉は1ミリもつかない!~』
- 作者: 坂詰真二
- 発行元:カンゼン
- 発売日: 2016/10/12
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
▼あなたにオススメ記事