筋トレ民の神食材「ささみ」の7日間レシピまとめ【タンパク質摂取&糖質制限に】
2020年06月29日- 【INDEX】
ダイエットや筋トレにタンパク質がいい理由
▲カトジュンこと加藤潤也さん。管理栄養士、空手2段、CFSC level2。またトレーナーとして、ジムでの指導だけでなく、自身もボディメイクの大会に出るなど精力的に活動中
──ダイエットや筋トレにタンパク質の摂取がいい理由について教えてください
加藤潤也(以下・カトジュン):タンパク質は筋肉や肌、内臓など、カラダをつくるうえでもっとも基本的な材料となる必須栄養素のひとつです。糖質や脂質ももちろん生きていくうえで必要な栄養素ですが、摂りすぎると肥満の原因になります。太りにくく、直接カラダの材料になりやすい点が、筋トレやダイエットにタンパク質が良い理由です。
──トレーニーとして食事で注意しているポイントはなんですか
カトジュン:タンパク質が不足しないよう、タンパク質の量は必ず計算し、定期的に摂取します。トレーニング直後はプロテインで20g、食事の時は30g以上摂取するよう心がけています。また、タンパク質だけでは筋肉は作られないので、糖質・ビタミンB6・ビタミンD・鉄分等も気にしながら食材は選びます。また時期により異なりますが、増量期・減量期に合わせてカロリー・糖質・脂質量を調整します。
──なぜ食材として「ささみ」がオススメなのでしょうか。
カトジュン:ささみは高タンパク・低カロリー・低脂質・低糖質で、ダイエットや筋トレをしている人にとって理想的な食材だからです。また、スーパー等で手に入りやすく、比較的値段も安い。栄養食材としていいモノでも高かったり、手に入りにくいと続かないですからね。あとは調理しやすいという面もあります。ささみはあっさりと淡白なため、いろいろな調味料や他の食材と合わせやすい点もオススメポイントです。
──それではさっそくささみを中心にした1週間チャレンジレシピのをあらためてご紹介していただきましょう。
1日目:ささみと鯖の生姜煮
1食分のタンパク質の量 30g/総カロリー 273Kcal
カトジュン:ささみと鯖の生姜煮を作るときのポイントは、とにかく「煮すぎないこと」です。煮すぎると味が濃くなったり、食材の食感がなくなるからです。
先にささみには十分に火を通すことは忘れずに。鯖缶はそのまま食べられます。しめじやシシトウはしっかりと火が通ればOKで、後は味見をしながらささみに軽く味がしみていれば食べ頃です。
ささみと鯖の生姜煮は、まさにご飯がススムおかずです。オンザライスで、煮汁をかけて食べても美味しいです。冷凍も可能なので、作り置きにも適しています。
2日目:ささみオムライス
1食分のタンパク質の量 43.5g/総カロリー 435Kcal
カトジュン:オムライスを作るときは、卵の焼き加減に細心の注意を払いましょう。包んだり、特別な技術はいらないので、卵をフライパンに広げた時に半熟で火を止め、お皿に盛り付けたミックスベジタブルにそのまま乗せましょう。
見た目やボリュームはオムライスと同じくらいですが、カロリーは半分です。ミックスベジタブルがいい感じにご飯代わりになっています。卵とミックスベジタブルは相性抜群です。ささみは淡白ですが、濃厚で食べ応えのある一品です。
3日目:ささみとキムチのもずく和え
1食分のタンパク質の量 18.7g/総カロリー 106Kcal
カトジュン:このレシピは、ほぼ混ぜるだけでカンタン。ただし、ささみを茹でる時以外は火を使わないので、しっかりとささみに火を通すことが大事です。また、お好みでキムチやもずくの量は変えても大丈夫です。
食卓に何か足らない時の一品や、お酒のおつまみに最適なメニューです。さっぱりしていて食べやすく、キムチのピリ辛が癖になります。簡単に作れ、分量も調整しやすいので、多めに作って冷蔵庫で保管しておくのもオススメです。
4日目:ささみたくあんチーズ
1食分のタンパク質の量 23.6g/総カロリー 219Kcal
カトジュン:ささみたくあんチーズを作る時のポイントは、調味料を最低限にすること。たくあんとチーズはもともと味が付いているので、塩は調整程度に使います。また、ささみはしっかり火を通し、食べない時は冷蔵庫で保管しましょう。
たくあんとチーズは意外な組み合わせかもしれませんが、たくあんの甘じょっぱい感じと、チーズの濃厚さがとてもマッチします。ご飯の上に乗せて、お茶漬けにして食べるのもオススメです。
5日目:トマトささみバーガー
1食分のタンパク質の量 20.8g/総カロリー 130Kcal
カトジュン:まずはトマトの切り方に注意。トマトを平行にスライスすることで、綺麗なトマトささみバーガーになります。また、トマトが薄過ぎると形が崩れやすく、厚すぎると食べにくいので、3ミリくらいの厚さにスライスするのがベストです。
トマトがみずみずしく、大葉の風味が楽しめ、食材の味に特徴があるため、味付けはシンプルに塩だけで充分美味しいです。さっぱりしていて食べやすく、サラダ感覚で食べながら、タンパク質が摂れるメニューです。
6日目:ささみとミョウガのピリ辛ナムル
1食分のタンパク質の量 18.7g/総カロリー 123Kcal
カトジュン:ささみとミョウガのピリ辛ナムルを作る時のポイントは、もやしを茹で過ぎず食感を残すことと、もやしから水分が出る可能性があるので、茹でた後少し時間をおくか、調味料を混ぜ合わせた後、少し寝かせると、味にブレがなくなります。
見た目からは想像がつかない、ミョウガの独特な味と、ラー油のピリ辛な感じがクセになる一品です。クセは強いですが、ささみともやしが淡白なため、うまく吸収して包み込んでくれます。副菜、お酒のおつまみ、作り置きにオススメです。
7日目:ささみのラタトゥユ風チーズ煮込み
1食分のタンパク質の量 32.1g/総カロリー 260Kcal
カトジュン:ズッキーニとささみを同じくらいのサイズに切りましょう。大きさを揃えることにより、食材に火が通りやすく、味も染みやすくなります。また、煮込みすぎるとトマトが焦げる可能性があるので、気をつけましょう。
ダイエットメニューとは思えない、濃厚で食べ応えのある一品です。スライスチーズを1枚入れるだけでグッと濃厚になります。トーストしたバケットに乗せて食べるのもオススメです。
筋トレ民に必要な1日あたりのタンパク質の摂取量
──ところでタンパク質の摂取量について、1日どのくらい食べた方が良いのか、食べるタイミング、オススメの摂り方などを教えてください
カトジュン:タンパク質の1日の摂取量は、通常体重×1g、軽い運動やトレーニングをしているをしている人であれば体重×1.5g、がっつりトレーニングしている人であれば体重×2g摂取すると良いです。1回でまとめて摂っても吸収されにくいので、朝・昼・夜ご飯の時に分けて摂取しましょう。
──まずは朝・昼・夜の食事メニューにタンパク質を取り入れることが大事、と。
カトジュン:ご飯時以外の摂取タイミングとしてはで、起床後・寝る前・運動後もオススメです。起床後・運動後は、タンパク質が不足しており吸収されやすく、寝る前に摂取すると、寝ている間に筋肉に栄養がいき、筋肉が作られやすくなります。
また、起床後・寝る前・運動後のタンパク質摂取ついては、食事よりもプロテイン等がオススメです。手軽に摂取しやすく、胃への負担も軽く、カロリーオーバーになりにくいですから。
──タンパク質を摂るタイミングが重要なんですね。
カトジュン:あとはビタミンB6、糖質と一緒にタンパク質を摂ると、吸収率が上がります。ビタミンB6が多く含まれる食材としては、大豆、マグロ、カツオ、鮭、レバー、鶏肉、牛肉、にんにく、パプリカ、バナナ、アボカド等です。大豆、魚、鶏、牛に関してはそもそもがタンパク源なので、タンパク源として非常に優秀と言えます。
ささみは筋トレ民にとって神食材
──今回、1週間ささみチャレンジに挑戦していかがでしたでしょうか。感想を教えてください
カトジュン:1週間同じ食材でチャレンジするというのは初めてで、続けられるか不安でしたが、無事終えることが出来ました。1週間ささみと向き合ったからこそ、よりささみの良さがわかり、いろいろな食材や調味料とのコラボが生まれました。
これは今までの私の知識や経験だけでは絶対に到達できないものです。1週間ささみチャレンジが自身を大きく成長させてくれました。ささみは筋トレ民にとって神食材です。大袈裟に思われるかもしれませんが、ホントにささみには感謝しています(笑)。
──そもそもカトジュンさんの職業って管理栄養士さんなのでしょうか。それともトレーナー? これまでの活動などを教えてください。
カトジュン:管理栄養士過程の大学を卒業し、管理栄養士の資格を取得しました。その後、委託給食会社に就職し、企業の社員食堂で3年半勤めました。それから、知り合いの経営者の方からお誘いを受け、オーガニックカフェの店長を1年半。コールドプレスジュースや、野菜たっぷりのサンドイッチを中心とするお店で働きました。
──なるほど。もともと飲食関係だったんですね。
カトジュン:はい。でも、もともとスポーツが好きでトレーニングをしていたこともあり、食事だけでなく、体づくりから学びたいと思い、フィットネス業界へ転身。それから約2年、フィットネスクラブで働きました。また、自身でもトレーニングに励み、ボディメイクの大会に出場しています。
社会人2年目くらいから地道にフリーランスの活動も開始し、現在はケータリング・作り置き・ライター・ダイエットメニュー作成・ダイエット指導・オンライントレーニングを行なっています。過去には電子書籍の出版、地域おこしのイベントで飲食ブースの出店などもしていました。
酸化した油を避け、揚げ物は基本買わない
──ご自身で料理をすることはあるのですか?
カトジュン:もちろん仕事だけでなく自炊もしています。夜は基本、自炊するようにしていて、オフの日はなるべく3食自炊します。週3〜4日は自炊しているイメージでしょうか。自炊した方が安く済みますし、料理の腕も上がります。栄養バランスや味付けの調整がしやすいのも自炊のメリットです。
──栄養士としていつも食事で気をつけていることはなんですか。
カトジュン:砂糖や酸化した油を避けるため、菓子パン、ジュース、揚げ物は基本買わないようにしています。また、食事をする時、ざっくりカロリー計算を行い、主食の炭水化物、主菜のタンパク質、そして食物繊維の野菜の3つが必ずあるように構成します。後は、野菜などで食卓の彩りが鮮やかになるように心掛けると、だいたいバランスが良くなりますよ。
──ダイエットや筋トレをがんばっている読者に、最後にひと言コメントをお願いします。
カトジュン:ダイエットや筋トレはけっして楽なものではありませんが、気負い過ぎずに取り組みましょう。まずは継続できなければ意味がないので、出来ることから。最初からハードルを上げすぎないようにしましょう。タンパク質を摂りたいときの食事で困ったら、このささみチャレンジを思い出していただければ幸いです。