「水風呂」に入るのはダイエットにも効果がある?常識を打ち破る金森式健康長寿術でQOLを高める方法
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「水風呂」に入るのはダイエットにも効果がある?常識を打ち破る金森式健康長寿術でQOLを高める方法

2022年04月08日

『120歳まで元気に生きる 最強のサプリ&健康長寿術』著者、金森重樹氏インタビュー【第3回】

糖質を極限までカットし、良質な脂をたっぷりと摂るという、ダイエット界の常識を覆した『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂”ダイエット』(著:金森重樹、刊:扶桑社)の刊行から一年半。

著者である金森重樹氏が築き上げたダイエット方法の根幹をなす理論は「#金森式」と呼ばれ、いまも多くの人に支持されている。

 

自らも金森式のライフスタイルを実行し続け、2か月で30kg減量した体形をキープすると同時に、金森式の理論をさらに進化させたという金森氏が次に提唱するのは「健康長寿」だという。

金森式と「健康長寿」の関係とはいったいどういうものなのか。

昨年末に『120歳まで元気に生きる 最強のサプリ&健康長寿術』を上梓した金森氏へのインタビュー3回目、最終回です。

 

(第1回:「【金森式】「断糖高脂質食」がダイエット効果的な理由──旧石器時代、人類の主食はアブラ(骨髄)だった」はこちら

(第2回:「体を「最適化」せよ──サプリの摂取+溜まった毒素の排出が健康長寿にいい理由【金森式】」はこちら

 

インタビュー

金森重樹(かなもり・しげき)

1970年生まれ。東京大学法学部卒。大学卒業後、フリーター時代に1億円超の借金をつくる。不動産会社に就職後、29歳で行政書士として独立。現在は、不動産、建築、介護事業など年商100億円の企業グループオーナー。監訳した『アメリカの名医が教える内臓脂肪が落ちる究極の食事 高脂質・低糖質食で、みるみる腹が凹む』(SBクリエイティブ)は話題となり、また新刊の『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂”ダイエット』(扶桑社)はamazonのベストセラー1位に。「金森式」と呼ばれる断糖高脂質食ダイエットの普及を通じて、多くのフォロワーから支持されている。

Twitter:金森重樹@ダイエットonlineサロン

 

▼これまでの金森重樹氏の記事

 

ダイエットのためにも、体に「寒冷負荷」をかけた方がいい

※このインタビューはオンラインにて行われました。

 

──ところで金森さんは、一年半前、『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂”ダイエット』の発売時にお話を聞いた時と同じく、相変わらずお肌はつるつるですし、歯もお綺麗ですね。

 

金森重樹(以下・金森):基本的に虫歯とは無縁になりました。そもそも僕が歯科クリニックの運営に携わっていた時に、1本の論文と出会い、「一生に一度でも歯を磨くってことが間違えている」ってことを教えてもらって、この金森式が始まったわけですよ。口の中の細菌っていうのは、血管を通して身体中に駆け巡りますし、脳に歯周病の原因菌が届いたりもします。
つまり、歯がちょっとでも悪いと身体中が悪くなる。もともとサバンナに生きていた人類にとっては、歯が尽きる時っていうのは、命が尽きる時だった。歯が尽きてしまうと、もう獲物が食べられませんから。

 

──なるほど。

 

金森:ところが70歳になった旧石器時代の狩猟採集民の骨格を見てみると、一本も虫歯ってないんです。親知らずもしっかりとあって。当然彼らは歯磨きなんてしません。もちろんその時代にはフロスもないです。つまり口腔内ケアの一番のやり方というのは、「炎症抑制」、「ミネラルの最適化」と「食事の改善」なんです。どんなに歯を磨くよりも、それが一番、効果がある。

 

──これまでも金森式では、食生活を変えれば歯を磨かずとも綺麗な歯をキープできると主張されてきました。これには本当に驚きましたが、他に最近は、どういった健康法を実行されていますか?

 

金森:寝る時には掛け布団を掛けないで寝ていますね。

 

──掛け布団を掛けないで寝る……それはどういう根拠に基づいているのでしょうか。

 

金森:我々が本来、恒温動物だからです。だから裸のままで服を着ないで生きていたらすごく寒いし、常に熱が奪われていく。そこで熱を産生することで、我々のエネルギーバランスが取れているんです。ところが厚着をしたり、夜寝るときに掛け布団をかけている人は、その間、熱産生(※)が低い状態にある。
すると体脂肪を燃えやすくしてくれる「ベージュ脂肪細胞」が増えない。ヒトが太る原因って食べることだけじゃなくて、身体に寒冷負荷を掛けていないことにもあるんです。夜、寝ている時に出る成長ホルモンって、脂肪動員するホルモンでもあるわけですけど、掛け布団をかけていたら、深い眠りが阻害されて十分に分泌されません。

(※)熱産生:物質を代謝して熱を放出すること。

 

※画像は『『120歳まで元気に生きる 最強のサプリ&健康長寿術』(扶桑社)より引用

 

──寒冷負荷というと、部屋の温度なども低めのほうがいいのでしょうか。

 

金森:部屋も15度から18.3度くらいに冷やして寝ています。

 

――それで風邪は引かないのでしょうか。

 

金森:それが人に最適な温度だとデータは示しています。オーストラリア大陸のアボリジニーやアフリカのサン族は、1桁台まで気温が下がる砂漠でも裸で寝ます。寒いところで熱産生していたら、それだけで急激に脂肪は奪われていきます。

 

――メタボが現代病と言われる理由ですね。今はどこに行っても快適な温かさに調整されていますから。

 

金森:人類が衣服を着はじめたりとか、ほら穴じゃない温度調整された住居に住みはじめたことで、日常的な熱の代謝がなされないようになっていった。だから、現代人の我々は、むしろ積極的に体を冷やす、もっといえば内臓をよく冷やさなきゃダメなんです。
一般的な健康のメディアでは「体を温めましょう」とか「白湯を飲み、お腹を冷やさないことで免疫を上げる」などと言っていますけど、あとで述べるように腸内細菌叢の組成に影響があるため、僕は間違いだと思っています。だから僕は普段から上着も来ませんね。冬の雪が降る屋外でも、ワイシャツ一枚で過ごしています。

 

「水風呂」に浸かってヒトの熱産生の力を取り戻す

※画像は『『120歳まで元気に生きる 最強のサプリ&健康長寿術』(扶桑社)より引用

 

――最近も「温活」ブームは根強いですが、そこに異を唱えるわけですね。

 

金森:そうです。僕は日課として水風呂にも浸かっています。先ほども話に出たベージュ脂肪細胞の件ですが、脂を蓄える脂肪である白色細胞は、寒冷負荷によって脂を燃やすベージュ脂肪になるんです。ですが、15日、寒冷負荷をサボると50%のベージュ細胞が消滅するんです。20日では90%消滅して白色細胞に戻ってしまうんです。

 

――水風呂に入るなどの寒冷負荷によってベージュ細胞を維持することが、痩せた身体を保つポイントでもあるんですね。

 

金森:そうです。それに、こういう実験もあります。気温10度のところでブルブル震わせていたネズミと、暖かい部屋でぬくぬくと太っていったネズミの2種類を用意して、冷えた場所にいたネズミの糞便を、温かいところのネズミに移植すると、肥満だったネズミが急に痩せ、元気になって免疫も上がったという結果が出たんです。

 

――寒い場所で暮らしていたネズミの方が生命力が強かった?

 

金森:腸、つまり体の中心を冷やすことで腸内細菌叢の組成自体が変わることで、腸内細菌叢が生み出す代謝物も変わってくるってことです。SNSのフォロワーさんで「手足が寒くて眠れない」っていう方がいたら、「氷水に痛くなるまで手足を浸してから寝てください」って言っていますよ。
それを1ヶ月やると、「今度は暑くて寝れないから、布団から手足を出して寝ています」ってなる。ホルミシス効果っていうんですけれども、人間の身体は、その熱を奪われればそれに反発して、熱産生するような力が働くんです。それなのに、体や内臓をいつも温めたりするから、いつまでたっても熱産生の力が生まれない。

 

――人間が本来持っている力をうまく生かせば、自然と健康につながるんですね。

 

金森:だから腸活っていうのは、決してヨーグルトを食べることではなく、むしろ身体を冷やすことが正解なんです。それが腸活なんです。

 

――しかし、15度から18度って、そこそこ寒い室温ですよね。

 

金森:寒いです。でも寒くしないと入眠潜時の寝つきの悪さにもつながってきます。なぜならば、深部体温を強制的に低下させようとして体の側は努力しているのに、温かい部屋で掛け布団をかけていたら、深部体温は落ちていかないですから。

 

朝起きたら、まず太陽の光を浴びる

 

――では睡眠そのものについてはどうですか。健康寿命のためにはどういった睡眠が望ましいのでしょうか。

 

金森:これも本の中で紹介していますが、睡眠時間が7時間より長くてもよくない、短くてもよくないです。最初の1回目の睡眠の90分にN4というレベルまでダイブする時に、成長ホルモンが出ます。それは時間帯に依存するものではないので、睡眠の最初の90分をどうするかが重要。「夜10時から2時の睡眠が大切だ」というシンデレラタイムなるものは嘘です。成長ホルモンの分泌は時間帯依存性ではありませんので。

 

――では7時間の睡眠が確保されさえすれば、何時に寝てもいいってことですか?

 

金森:いえ。寝るときに一番大切なことっていうのは、朝、どうやって起きるのかっていうことです。ばっと太陽の光を浴びてメラトニンを遮断させるようなことにしておかないと。ぼんやりとその薄明りの中で起きたり、電気つけたりすると、メタトニンがダラダラ出て続けてしまって、夜になっても十分に分泌されない状態になってしまう。

 

※画像は『『120歳まで元気に生きる 最強のサプリ&健康長寿術』(扶桑社)より引用

 

――なるほど。そこからを逆算すると、夜の10時に寝たとして冬場の朝5時は、まだ外は暗いですね。

 

金森:しかもメラトニンは、ベージュ細胞の誘導をかけてくれる物質なので、痩せることにもつながります。さっきの寒冷負荷の話とも重なってくるんですが、身体を冷やすことで、メラトニンが出ることもあるんです。だからメラトニンを適切に出すことは、脂肪を燃やすことにもつながる。

 

痩せたからといって、糖質たっぷりのもとの生活に戻すのは危険

 

――金森式が、食生活だけではなくライフスタイル全般に関わってくるのは、それそれが相互に作用するからなんですね。では、金森式を実行する時に、何か気を付けなくてはならないことってありますか。

 

金森:注意していただきたいのは、「血管」ですね、断糖高脂質ダイエットであっという間に何10キロも痩せるもんだから、筋トレなど血管に負荷がかかる運動をしちゃう人がいるんですよ。当たり前ですけど、急激に痩せたからといって、血管は肥満のままですよ。
高血圧の血管、破けやすくなっている血管で急に激しい運動なんてしたら、危ないです。見てくれが痩せたからって、血管も痩せたなんて思うなと。

 

――脂肪が落ちて急に痩せたものの、まだ血管がそれに追いついていなかった。

 

金森:あともうひとつが、(急に痩せて)足の中足骨を折ってしまう人もいます。肥満だったのに、断糖高脂質ダイエットで体脂肪が最適の状態にチューンナップされたからといって、急に激しい運動はしちゃいけません。
僕自身も2ヶ月で32キロも痩せましたけど、急激に痩せたので、その段階では骨盤は開いていたし、足もO脚でした。体と骨格が異常にアンバランスで、痩せているにもかからず、骨格はまだ肥満のままって状態が起こる。

 

――それはどうしてですか?

 

金森:骨刺激がないと、人間って骨は作られないんですけど、肥満の時ってたいして歩きもしないから、骨刺激もないんです。だから、骨芽細胞がちゃんと骨を作らないで、破骨細胞が骨を吸収してしまっている。
そんな状態で、痩せたからって、自分が健康になったつもりではりきってジョギングを始め出したりする人がいるんですね。それで中足骨が折れてしまうわけです。それこそ、本当なら5キロおきとかに整体にでも行って、足の動きや骨盤の歪みを治さないといけないのに。

 

――では骨は整体で整えていくとして、血管はどうすればいいのでしょうか。

 

金森:2年、3年かけてゆっくりと入れ替わります。けど、その間に糖質を摂ってしまったら良くはならないですよ。血管も傷つけてしまうし、プラーク(※)も溜まってしまいます。
このダイエットは、糖を完全に失くすことが前提なので、痩せたからって、以前と同じ食事に戻してしまったら、余計に体に悪いんです。つまり一生の健康法っていうのは、一生、最適な状態にチューンナップしていかないと。痩せたからといって、体に悪いものをもう一度食べ始めたり、以前の暮らしに戻りたいと思うようでは、うまくはいかないんです。

(※)プラーク:脂肪の塊。血管の内部に付着し、血管の流れを悪くしたり、石炭化によって動脈硬化の原因になったりする。

 

――金森式のメソッドは一過性のダイエットではなく一生を通じた健康法であるということがよく理解できました。本日は貴重なお話をお聞かせいただき、どうもありがとうございました。

 

※文中で紹介している食事法・健康法については金森重樹氏が論文や学術書、個人の実体験から得た見解です。健康のために食生活・生活習慣を変える際には、医師に相談したうえで行ってください。また、本記事で紹介している情報によって生じたいかなる損失、負傷、障害について著者及び本メディア運営者はいかなる責任も負いかねます。

 

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