体を「最適化」せよ──サプリの摂取+溜まった毒素の排出が健康長寿にいい理由【金森式】
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体を「最適化」せよ──サプリの摂取+溜まった毒素の排出が健康長寿にいい理由【金森式】

2022年03月23日

※このインタビューはオンラインにて行われました。

 

『120歳まで元気に生きる 最強のサプリ&健康長寿術』著者、金森重樹氏インタビュー【第2回】

糖質の摂取を極限までカットし、良質な脂をたっぷりと摂るという、ダイエット界の常識を覆した『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂”ダイエット』(著:金森重樹、刊:扶桑社)の刊行から一年半。

著者である金森重樹氏が築き上げたダイエット方法の根幹をなす理論はSNSで「#金森式」と呼ばれ、いまも多くの人に支持されている。

自らも金森式のライフスタイルを実行し続け、2か月で30kg減量した体形をキープすると同時に、金森式の理論をさらに進化させたという金森氏が次に提唱するのは「健康長寿」だという。

この金森式と「健康長寿」の関係とはいったいどういうものなのか。

 

昨年末に『120歳まで元気に生きる 最強のサプリ&健康長寿術』を上梓した金森氏に話を聞いた、その2回目です。

 

(第1回:「【金森式】「断糖高脂質食」がダイエット効果的な理由──古代、人類の主食はアブラ(骨髄)だった」はこちら

 

インタビュー

金森重樹(かなもり・しげき)

1970年生まれ。東京大学法学部卒。大学卒業後、フリーター時代に1億円超の借金をつくる。不動産会社に就職後、29歳で行政書士として独立。現在は、不動産、建築、介護事業など年商100億円の企業グループオーナー。監訳した『アメリカの名医が教える内臓脂肪が落ちる究極の食事 高脂質・低糖質食で、みるみる腹が凹む』(SBクリエイティブ)は話題となり、また新刊の『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂”ダイエット』(扶桑社)はamazonのベストセラー1位に。「金森式」と呼ばれる断糖高脂質食ダイエットの普及を通じて、多くのフォロワーから支持されている。

Twitter:金森重樹@ダイエットonlineサロン

 

▼これまでの金森重樹氏の記事


どんなサプリメントを摂るべきなのか

──今回の著書『120歳まで元気に生きる 最強のサプリ&健康長寿術』の中では、サプリメントの飲み方についても詳しく書かれています。ただ闇雲に飲めばいいわけではない、ということを知りました。これまではサプリメントとは「最近、食生活的にビタミン不足っぽいから、飲んでおこうかな」みたいな付き合い方をしてきたのですが……。

 

金森重樹(以下・金森):どんなサプリメントを摂るべきかは、人それぞれでまったく違うんです。だから、単純に「これを飲めば健康にいい」とは言えなくて、まずは自分の体のミネラルバランスや代謝機能に関係するものを、ちゃんとわかっていないといけないんです。そのための前提として、体内のミネラルや有害金属を検査する、オリゴスキャンや血液検査が必要です。

 

──オリゴスキャンとは、そもそもどういった検査なのでしょうか。

 

金森:オリゴスキャンは、機械をピッと手に当てると、だいたい30秒ぐらいでパパパっと検査結果が出る検査です。手のひらを吸光光度法によりスキャンして、組織や血管壁に沈着している有害ミネラル14元素と必須ミネラル、参考ミネラル20元素を測定してくれます。ネットで調べれば、オリゴスキャンの測定システムを持っているクリニックがいくつも出てくると思いますよ。

 

──クリニックで受ける検査なのですね。

 

金森:たとえば僕自身がオリゴスキャンで測定した結果を具体例に出すと、ケイ素が欠乏していて、体内にアルミニウムが蓄積していました。またカリウムが足りなくて、塩抜きをしたとしても、ナトリウムが体から出ていかない状態でした。カルシウムは過剰だと身体には有毒で、グルタミン酸とともに細胞毒性を起こすんですけど、その悪いものが過剰なうえに、マグネシウムも欠乏していた。カルシウムとマグネシウムが1対1の比率にならないのは体に良くない。

 

──カルシウムを摂るなら、同じくらいのマグネシウムを摂る必要があると。

 

金森:あるいは亜鉛が欠乏していると、カドミウムと水銀みたいな毒性重金属が蓄積してしまう。周期表の縦の並びは拮抗し合うという関係にあるんですね。ようするに、ビタミンBが足りないから、ちょっとサプリメントで足そう……とか、そんな単純なレベルではないんです。

※画像は『『120歳まで元気に生きる 最強のサプリ&健康長寿術』(扶桑社)より引用

 

──まずは大前提として、オリゴスキャンで測定して、自分の体の状況を知って、どんなサプリメントが適切なのかを知ったうえで、選んで摂ればいいんですね。

 

金森:摂るばかりでなく、さらに解毒をすることも必要です。つまり、ちゃんと土を食べようってこと。我々はもともと土を食べて生きてきたんだから。だから、ベントナイトを僕は取り入れることにしたんです。

 

──土を食べるのですか! ベントナイトとは、どんなものなのでしょうか

 

金森:粘土です。泥そのもの。これは水で溶いて飲むんです。かつてチェルノブイリが爆発した時、そこにいる科学者たちは皆、ベントナイトで解毒しましたからね。放射性物質の中には半減期が非常に長いものもあるので、こういったもので解毒する以外方法がないんです。寿命の間に、自然に消滅することはないものですから。

 

▲ベントナイト

 

──ベントナイトにはどんな解毒作用があるのでしょうか。

 

金森:カビ毒やヒ素、鉛、カドミウム、放射性物質といった有毒なものを、土が吸着して出してくれます。とはいえどれも、簡単には身体から抜けるものではないですよ。もちろん、エチレンジアミン四酢酸とか、身体から毒を抜いてくれる薬剤もあるんです。でも薬剤で身体から毒を抜くことで、ただでさえ欠乏している必須ミネラルも我々の身体から抜けてしまって、さらに体に必要なものが欠乏しちゃう。だったらベントナイトのような自然なもので体から時間をかけて出したほうがいいですよね。

 

体に溜まった有害な物質を解毒する

▲メチレーション回路と主なビタミン・ミネラル&有害金属による代謝阻害

※画像は『『120歳まで元気に生きる 最強のサプリ&健康長寿術』(扶桑社)より引用

 

──なるほど。すべてサプリメントで解決するわけではなく、解毒も必要と。しかし、そもそもなぜ我々の身体には有害金属などが溜まっているんでしょうか。

 

金森:例えばアルミ缶の飲料で育った世代の人は、全員アルミニウムに侵されています。僕も自分のオリゴスキャンの結果を見て、衝撃を受けました。僕らが子供の頃は、ペットボトルさえなかったじゃないですか。そういうものが、少しずつ蓄積してしまうんです。アルミニウムはアルツハイマー型認知症の危険因子として、その関係性が指摘されています。

 

──日常飲む飲料の容器から……しかもアルツハイマーと関連もあるだなんて怖いですね。

 

金森:だから、半年とか1年に1回、オリゴスキャンによって、自分の体のどこがどう変わっているかを見ながら、ベントナイトやクロレラを摂って体から毒素を排出していく必要があるんです。

 

──クロレラも解毒にいいのですね。

 

金森:クロレラも金属を解毒してくれます。あと皆が勘違いしているのは、鉄に関してなんです。鉄っていうのは基本的には活性酸素種を発生させる原因になる、いわば「毒物」でもあります。女性が男性より寿命が少し長い理由の一つは、若い間に生理があるから。つまり鉄の排出機構が備わっているからです。

 

▲クロレラ

 

──男性の方が鉄を溜め込みやすい?

 

金森:アーユルヴェーダにしろ、古代のさまざまな医療にしろ、ローマ帝国時代からそうですけど、男性が具合悪くなったら、まず瀉血(しゃけつ)をしろっていうのがあります。これは、男の場合は加齢とともに鉄が臓器に蓄積してしまうから。鉄代謝は半閉鎖的回路であり、能動的排出機構は存在しません。体内にある鉄が造血で使われて、そして赤血球が平均120日で崩壊して、またそれが造血に再利用されるか、また貯蔵鉄になるんです。

 

──なるほど……。

金森:だから1回入った鉄は、なかなか体から抜けない。男性に限らず閉経以降の女性にも危ないです。それをわかってない人たちが「女性は誰でも鉄不足だから、鉄を摂りなさい」みたいなことを言っているけど、それは違います。

 

──女性は基本的に貧血気味なので、積極的に鉄分を摂らないといけないと思い込んでいました。

 

金森:よく「鉄を飲め、鉄を飲め」っていうけど、どうでしょうか。鉄の欠乏状態じゃない加減であればいいわけで、そもそも貧血っていうものが、必ずしも鉄の不足で起こるわけでもないから。銅欠乏性貧血もあれば、亜鉛欠乏性貧血もあるわけなんです。

 

──人間の体は、そんなに単純な作用機序では説明できないと。

 

金森:はい。ビタミンだってそうですよ。僕自身、実際にバランスがぶっ壊れていた事例として一つあります。以前、ビタミンB6を摂っていたんです。BUNっていう尿素窒素の検査値が9くらいしかなかったから、タンパク質が代謝不足なんだと思って。タンパク質代謝不足っていうのは、タンパク質が代謝してないからタンパク質不足なわけで、だったらビタミンB6が不足していると考えるのが通常です。

 

──それでビタミンB6を積極的に摂ったわけですね。

 

金森:BUNの値が低いからって肉を食べようとする人がいるんですけど、ただ肉を食べるだけでは代謝物の毒が溜まってしまう。そうじゃなくて、断糖高脂質をしていたら肉は足りているから、代謝のためのビタミンB6が不足しているはずだと考えるのが正しいアプローチです。そう考えて、だから僕はビタミンB6を半年くらいの間、がんがん飲んだんですね。

 

──その結果、どうなったのでしょうか?

 

金森:そうしたら、僕に何が発生したかっていうのと、モリブデンが枯渇したんです。ビタミンB6が充足したことによって、CBS酵素の働きが活発になって、亜硫酸塩から硫酸塩っていう硫黄転移経路がフルパワーで動き出したんです。そこで枯渇するのがモリブデンですよ。オリゴスキャンでデータを測った時に、「モリブデンが枯渇してるじゃん。あれ、なんでこんなことに?」ってなったわけです。怖いです。やりがちです。

 

──すごくマニアックな話でちょっと難しく感じてしまうのですが、つまり足りない栄養素をサプリなどで単純に足せばいいというシンプルな話ではないということですね。

 

金森:そう。「メチレーション」という代謝の仕組みを知って、四つの歯車(尿素回路、ビオプテリン回路、葉酸回路、メチオニン回路)を上手に噛み合わせて下まで流すってことをやり遂げないと駄目。足りない栄養素をただ闇雲に足そうとする人が、だいたい体を壊してしまうんです。

 

▲メチレーション回路の全体図(4回路+1経路)

※画像は『『120歳まで元気に生きる 最強のサプリ&健康長寿術』(扶桑社)より引用

 

──ほかにこれまでサプリメントを飲んできたなかで、印象に残ったことってありますか?

 

金森:リチウムのトレースミネラルというサプリをね、今回の新刊の版元である扶桑社の担当編集者に一滴だけ、あげたんです。たった一滴ですよ。すると、それだけですぐさま頭がシャキンとしたと。それはリチウムが欠乏しているからですが、うつ病の人でも、リチウムが原因だったりするじゃないですか。そういうバランスをちゃんと取ったりすることも、サプリメントの効果としてありますね。

 

──リチウムの欠乏が、脳機能に関係していると。

金森:初心者が「ビタミンを摂るといい」とか「マクロミネラルが……」とか言うじゃないですか。でも、僕としては、量や種類を調整していかないと上手くいかないってわかっているわけです。モリブデンとか、リチウムだとかは特にそういうものが必要ですから。例えば一般的にビオチンっていうのは、通常あらゆる食材に入っているから、足りているとされているど、本当かなって思うし。サプリメントについては、なかなかこれは相当やり込まないと、体をいいバランスに持っていけないってことです。

 

──サプリメントは自分の身体を知ったうえで、しっかりと戦略を立てて摂らないと、意味がないどころか、身体によくない場合もあるんですね。

 

金森:足りないものを足すようなレベルで考えていては、何も始まらないんです。そのためには、検査してフィードバックして……っていうふうに何度も繰り返して、身体を最適化することが大切だってことです。

 

※第3回(4月上旬公開予定)に続く

※文中で紹介している食事法・健康法については金森重樹氏が論文や学術書、個人の実体験から得た見解です。健康のために食生活・生活習慣を変える際には、医師に相談したうえで行ってください。また、本記事で紹介している情報によって生じたいかなる損失、負傷、障害について著者及び本メディア運営者はいかなる責任も負いかねます。

 

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