【金森式】異端か?新常識か?ダイエットの常識を覆す「断糖高脂質食ダイエット」金森重樹氏に話を聞いてきた
2020年08月21日
ネットでも「#金森式」ダイエットで話題沸騰。『運動ゼロ 空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂”ダイエット』著者、金森重樹氏インタビュー
発売前からamazonのカテゴリランキング1位を獲得し、発売からひと月経ったいまもランキング上位にあり続ける、大注目のダイエット本『運動ゼロ 空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂”ダイエット』(扶桑社)。
著者の金森重樹氏が、たった2ヵ月で体重90キロから58キロに減量に成功した「断糖高脂質食」と呼ばれる独自メソッドを紹介した本書の一番の特徴は、これまでのダイエットの常識とは大きくかけ離れていること。
周りがパニックした格好です✨
見て欲しいから載っけときます
👗バージョンです💕
【キラのビフォーアフター】
マイナス39kg㊗️㊗️㊗️#金森式#金森式健康法#断糖高脂質#大幅減量 pic.twitter.com/PMoaO5dPDN— ⭐️キラ@金森式ー42.5kg達成⭐️ (@eH356KCQ0lu2g3I) July 25, 2020
・2ヵ月で-11.2㎏のダイエットに成功
・1日1食主義
・金森式ダイエット実践中
・2020年7月31日に体脂肪12%挑戦中
・3分筋トレと朝活が趣味です。 pic.twitter.com/Dkt2lYEFqx— カズヤ@1日1食ダイエット+金森式実践中 (@sjEwhaAGCpg5pja) June 20, 2020
昨日-30㌔達成して、久々のビフォアフ撮ったのにあげるの忘れてた🤣
左:86㌔
右:61㌔痩せても二の腕と下腹が気になる🤣
もう-10㌔目指してるから、その時には気にならなくなってくれたらいいなぁ😊胸より腹が出てたのが胸のが出てる✨
これでモチベ上げて今日も元気よくいってきまーす🕺✨ pic.twitter.com/A2j7gFWWOj
— KURO ☻ 金森式 -30㌔ (@Mey52422052) July 30, 2020
カロリー制限なし、運動もしなくていい、さらにはダイエットにありがちな空腹との闘いもない――。
多くのダイエット成功者を生み出す一方で、ネットでは「糖質をまったく摂らないバランスの欠けたダイエットなんて」「ダイエットには筋トレやエクササイズ等の運動が不可欠なはず」「こんなに脂質ばかり摂って大丈夫なの?」などの疑問の声も。
これまでのダイエットの常識を覆すメソッドと評される「断糖高脂質食」とは、いったいどんな理論に基づいたダイエットなのか。
ネットでも「#金森式」として話題の話題のダイエット本の著者・金森重樹氏をインタビュー。その第1回です。
金森重樹(かなもり・しげき)
1970年生まれ。東京大学法学部卒。大学卒業後、フリーター時代に1億円超の借金をつくる。不動産会社に就職後、29歳で行政書士として独立。現在は、不動産、建築、介護事業など年商100億円の企業グループオーナー。監訳した『アメリカの名医が教える内臓脂肪が落ちる究極の食事 高脂質・低糖質食で、みるみる腹が凹む』(SBクリエイティブ)は話題となり、また新刊の『運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる ガチ速“脂”ダイエット』(扶桑社)はamazonのベストセラー1位に。「金森式」と呼ばれる断糖高脂質食ダイエットの普及を通じて、多くのフォロワーから支持されている。
Twitter:金森重樹@ダイエットonlineサロン
「糖質制限」と「断糖高脂質食」はまったく違う考え方の食事法
――そもそもビジネスプロデューサーであり、年商100億円を超える企業グループのオーナーである金森さんが、なぜダイエットの独自メソッドを確立するに至ったのでしょうか。
金森重樹氏(以下金森):もともと僕は歯科クリニックの再生経営に携わっていたのですけど、そこで出会った論文があったんです。スイスにあるベルン大学に籍を置くBaumgartner氏が発表したもので、「旧石器時代食だけで暮らすと、口腔内環境はどう変わるか?」というものだったのですが、それに興味を持って4週間歯を磨かないかわりに、4週間、一切糖を摂らないっていう実験を試してみたんです。そうしたら、口腔内環境が改善されるとともに、体重も激変したんです。
▲90キロあった頃の金森氏
――もともと金森さんの体重はどのくらいだったのでしょうか。
金森:肉と魚、ナッツ類を食べて、小麦を中心とした穀物、イモ類、乳製品は摂らないという食生活を送ったところ、90キロあった体重がたった2ヵ月で58キロになりました。それをきっかけに興味を惹かれて文献や論文を読み漁るようになり、断糖高脂質食に辿りついたんです。
――なるほど。糖質制限したことによる副産物として、ダイエットになったのがきっかけだったわけですか。
金森:いや、普通の糖質制限ではないんですよ。断糖高脂質食ダイエットでは、数十キロやせるのは当たり前ですし、180キロの人が100キロになったりもしています。そもそも断糖高脂質食メソッドというのは、「パレオダイエット」として海外ですでに注目されている方法であって、僕がゼロから考えたわけではありません。そのパレオダイエット=旧石器時代食と、最新の生化学、分子栄養学、時間栄養学などを組み合わせて最適化し、より効果的なアプローチを模索していっただけです。
そこから話に入ろうかな。まずスーパー糖質制限のだめなところと、スーパー糖質制限と断糖高脂質食のまったく違うところについて話しますね。
――スーパー糖質制限とは、もっとも強いレベルの糖質制限(※一日に摂取できる糖質量が60g以下)とされていますが、それと金森さんの言う「断糖高脂質食」とは、違う種類のダイエットなのでしょうか?
金森:まったく作用機序が違います。スーパー糖質制限っていうのは、体に入れる糖を絶ち、その足りない糖をアミノ酸などでもって体内で生成させるんです。糖新生という仕組みなんですが、その際、脂肪を燃やすだけじゃなくて、アミノ酸もなくなっちゃう。つまり筋肉が減るわけ。
だから某有名ジムのダイエット法は、減った筋肉を補うために「糖質制限+筋トレ」の組み合わせになるわけです。でもそのために、このダイエット法だと、そこでたびたびリバウンド者を出すわけです。
――ダイエットしたい方は、そもそも筋トレなどの運動が苦手、というタイプも多いですしね。
金森:ところがうちのフォワローさんを見てください。筋肉量が上昇する結果になってるんです。ごく短期間なのに、体重が減って、脂だけ減って、筋肉が増加してないですか。たったの数ヵ月ですよ。
▲フォロワーKUROさんの体重変化グラフ
――この方は、断糖高脂質食の食生活と並行して、なんらかのトレーニングをしていたわけではないのですか?
金森:まったくしてないです。糖質制限をすると、たしかに脂肪は減る。けど、糖新生のための材料としてアミノ酸が必要になるんですね。そのアミノ酸は体の筋肉を溶かして使うから、結果として筋肉量が減ってしまいます。
――なるほど、糖を取らないと頭がよく働かずにぼーっとしてしまうって話、よく聞きます。
金森:糖を摂らないと、頭が働かないっていうのは、でたらめです。なぜなら、血液脳関門、BBB(blood-brain barrier)というものがあるんだけど、血液脳関門の中に入れるのは、ブドウ糖だけじゃなくて、β-ヒドロキシ酪酸とか、アセト酢酸とか、そういう脂肪酸を分解した、ケトンというものは脳に入り込めるんです……まぁ、この話はちょっと横に置いておいて。
――えっ、その常識も間違いと……!
金森:とにかく糖新生によって、アミノ酸が減っちゃうから、筋肉量が減ってリバウンドしちゃう。これが、スーパー糖質制限のダイエットなんですね。
それに対して、僕らがやってる「断糖プラス高脂質」っていうのは、糖新生によって作り出した糖でアセチルCoAを作り出すんじゃなくて、ダイレクトに脂肪酸を分解するβ酸化という方法で、ミトコンドリアの中にエネルギーを取り込むので、そもそも糖質制限ダイエットとは違うんです。
「糖質制限」も「MEC食」もインスリンを出してしまう
――ちょっと難しい話になってしまいましたが、糖ではなく「脂」をエネルギー源にするのが、断糖高脂質食という理解でいいですか?
金森:はい。もうひとつ重要なのはインスリン。インスリンが出ると、それを抑制するために体にある糖分を溜め込む方向になる。だからインスリンは出ちゃダメなんですよ。
わかりやすく説明するために、血糖値だけにフォーカスすると、血糖値があがってインスリンが出るっていうのは、インスリン反応全体の23%だけなんですよ。残りの77%は血糖値が高くなったからインスリンが出るというわけじゃないんです。
――残りの77%は、どういう仕組みになっているのでしょうか。
金森:スーパー糖質制限を勧める人たちは、血糖値さえ上げなければ、インスリンが出ない。だから太らないって言ってるんだけど、それはインスリンが出る仕組みのうちの23%にフォーカスしてるんです。残りの77%っていうのは、たとえば、頭相(とうそう)(※1)。
――頭相?
金森:「ものを見た瞬間に太る」っていうじゃないですか。例えば、摂食障害の人って、食べたものを全部、もどしたって太る。一回お腹に入れた瞬間にもう味がして、胃が反応してしていて、あるいは嗅覚で、太るんですね。頭相、インクレチン反応でインスリンが出てしまうんです。だからお腹が空いてるから仕方がないからって、ダイエットのサイトばかり見る人が太るのは当たり前。
(※1)脳相(頭相):思考、視覚、嗅覚、味覚などの刺激が、迷走神経(副交感神経)を介して、壁細胞を刺激することにより、胃酸分泌を促進されること。
【参考記事】・胃液はどのような刺激で分泌されるの? | 看護roo![カンゴルー]
――ようするに、カラダが勘違いしてしまうっていうことですか?
金森:そう。インクレチン反応といって、GIP とかGLP-1とかって、お腹にものが入ることでインスリンが出るんです。血管を通じてブドウ糖を摂取した場合と、経口摂取した場合って、経口摂取した場合のほうがインスリンが圧倒的に多いんですよ。
なんでかというと、胃に入るから。だから、そういう、インクレチン反応とか、頭相という部分がインスリン反応の77%を占めるので、要は糖質制限っていうのは、全体の一部にしかフォーカスしてない欠陥のある理論なんです。
――なるほど、糖質制限とアプローチは似ていても、その実、身体の中で起きていることはまったく違っている。
金森:言葉だけ見るとイコールに見えますが、根本的にどこにフォーカスするかが違うんですよ。血糖値反応にフォーカスするのが糖質制限。だけど、血糖値反応じゃなくて、「インスリン制御」に重きを置くのを断糖高脂質食というんです。
これは糖質の量だけじゃないんですね。インスリンを出さないという点で言うと、たんぱく質を摂取したってインスリンは出るんです。
――えっ、そうなんですか?
金森:例えば鶏のササミはすごくインスリンを出す。糖質制限が最悪としたら、その次にMEC食(ミート、エッグ、チーズを中心に摂取する食事法)もよくない。なぜなら、タンパク質を摂ってもインスリンが出てしまうから。
もう一つ、MEC食の欠陥点は、乳化剤の入ったチーズは微量であっても腸内炎症を起こして、それ自身がインスリン抵抗性を招くので、太るんです。だからプロセスチーズというのはカラダにとても悪いということですよ。乳化剤の入っていないチーズはもちろん摂ってもいいですが。