睡眠には「お風呂の温度」が超重要!たった1~2度のお湯の違いで、快眠できるかどうかが決まってくる理由
2020年12月14日正しい入浴法を生活習慣としてきちんと取り入れれば、睡眠の質を驚くほど最高のものにしてくれます。
最終回となる4回目の今回は、なぜ入浴で上質な睡眠を得れるのか、その理由をご紹介します。
※眠りとお風呂の専門家・小林麻利子氏の新刊『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン、12月14日発売)から一部抜粋して掲載します。
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「副交感神経が優位になる温度」は40度が目安
寝る前は副交感神経を優位にする必要があります。そのため、副交感神経を優位にする40度以下のお湯がベストです。
とはいえ、あなたが気持ちいいと思うお湯の温度であれば、副交感神経は優位になります。
まずはあなた感覚で、どの温度が心地よいのかを探ってみるとよいでしょう。
心地よい温度はそのときの状況によってもさまざまです。
それまで寒さを感じていたならば、38度くらいが快適かもしれませんし、逆に体がしっかり温まっていれば41度くらいが快適と思うかもしれません。
ですが、深部体温は39度以下だと上がりにくい傾向があります。
一方、42度以上だと熱すぎるので交感神経の刺激ばかりか、深部体温が上昇するまで長く浸かることが困難になります。
しかも、血圧が高くなるので大変危険です。
41度は、自律神経の切り替えの温度でありますが、個人差や季節差があります。
41度でゆったり呼吸できる方であればよいのですが、平熱が低い方は体温との差が大きくなるので、体の負担が大きいかもしれません。
そこで、まずはお風呂の温度を、副交感神経が優位になり、深部体温も上がる40度を目安にしてみてください。
体温を高くしながら、副交感神経を優位にするならば、やはりお風呂用の水温計があったほうが確実です。
湯器の温度設定を信じてもいいのですが、季節によっては2度ほど設定温度より下がるケースがあります。
たった1~2度の違いで、快眠ができるかどうかが決まってくるので、水温計の用意を強くすすめます。
「適温の湯船に15分つかる」がベストな理由
秋田大学の入浴による体温変化と睡眠時の脳波を調べた研究によると、40度のお湯に10分浸かると、深部体温は0.3度上がり、15分浸かると0.5度上がることがわかっています。
0.3度か0.5度なら、当然、深部体温が高いほうが、その反動で入浴後はより深部体温は下がります。
その理由は先ほどもお伝えしたように、体温の上昇が大きければ脳が驚き、自律神経の働きで、体温をより下げようと働くからです。
ですので、0.5度上昇させる、40度のお湯に15分浸かるのがベストなのです。
さらに、名古屋大学等の共同研究では、入浴15分までは皮膚表面の血流量が上がるが、それ以降はあまり上昇が見込めないという報告があります。
次のグラフの18~25歳の健康成人男性の結果を表した白丸の動きを見ると、皮膚血流量は10分より15分のほうがよくなりますが、15~20分ではあまり変わりません。
なので、忙しい日本人が効率よく入浴するなら、15分でOKなのです。
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【新刊紹介】
著者:小林麻利子
発売日: 2020/12/14
発行所: (株)カンゼン 価格:1,760円(税込)
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