【今日はいい風呂の日】「入浴の質」が睡眠のクオリティを驚くほど高めてくれる理由
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【今日はいい風呂の日】「入浴の質」が睡眠のクオリティを驚くほど高めてくれる理由

2020年11月26日

本日11月26日は「いい風呂の日」ということで、意外と知らない快眠のための正しい入浴法を紹介。

入浴は、入り方次第で睡眠の質を驚くほど最高のものにしてくれます。

その理由をご紹介しましょう。

 

(眠りとお風呂の専門家・小林麻利子氏の新刊『入浴の質が睡眠を決める』(カンゼン、12月14日発売)から一部抜粋して掲載します)

 

なぜ入浴で上質な睡眠を得られるのか──理由1: 深部体温を上げて、その後の急降下を作るから

 

内臓や脳など、体の内側の温度を指す深部体温(CBT:core body temperature の略)。

これは脇や舌で測る体温ではなく、通常、直腸で測る温度を指します。

 

深部体温は、早朝4時ごろがもっとも低く、19時ごろがもっとも高くなり、だいたい就寝の2〜3時間前から下がりはじめ、就寝後、さらに体温が下がって行くというリズムがあります。

 

グラフのCBTとSPのリズムを見ると、深部体温(CBT)が低下すると人は睡眠(SP)へ向い、深部体温が上昇すると覚醒方向へ向います。

ですから、眠りに入るためには、深部体温を低下させる必要があるのです。

 

さらに、この深部体温が入浴などの温熱作用によって一時的に高くなることで、その後、通常の低下よりも急激に低下することがわかっており、それが熟睡につながる大きなポイントとなります。

 

また、深部体温がしっかり低下することで、寝はじめ90分以内に訪れる深いノンレム睡眠が増加したという研究報告があります。

 

ちなみに、日中の活動量が少ない高齢者や、昼夜逆転などして体内時計が乱れている方などは、寝る前から深部体温がうまく低下しないという報告もあります。

 

まずは「40度のお湯に15分」の入浴法で深部体温を上げる

 

特に何もしなくても、深部体温は24時就寝の方でしたら、21時ごろから体温は低下していきますが、近ごろではテレワークなどにより、日中の活動量が極端に減少されている方や、日光を浴びる機会が少ない方なども多く、もっとも高い必要のある日中の体温があまり上がらず、その影響で夜に深部体温がしっかり下がらないという方も多いのではないかと考えられます。

 

さらに、寝る前まで仕事やゲームをしていたり、考え事や悩み事などで脳が興奮状態にあり、交感神経が優位になっていると、手足などの末端の血管がキュッと収縮してしまい、うまく熱が外に逃げず、深部体温がしっかり低下していかないということも考えられます。

 

もともと眠りの質に課題を抱えている方も、コロナ禍などで新生活様式になり、眠りに課題を抱えるようになった方も、まずは40度のお湯に15分の入浴法により、深部体温を上げた後、しっかり急降下できるような、体温コントロールが必要なのです。

 

なぜ入浴で上質な睡眠を得られるのか──理由2: 末端と胴体部分の皮膚温の差をゼロに近づけるから

 

前述のグラフの真ん中にある「DPG」とは、「Distal (遠位)-Proximal (近位)、skin-temperature Gradient (温度差)の略」です。

 

つまり、体の胴体部分と、そこから最も遠い所にある、末端の温度の皮膚温を見ています。

深く眠るためには、この胴体部分(鎖骨の下あたりの皮膚温度)と、手足の末端(足の甲の皮膚温度)の皮膚温の差を小さくする必要がある、ということがわかっています。

 

グラフを見ると、DPGの単位は0度〜マイナス3度となっています。末端と胴体の皮膚の温度差(DPG)が0度に近づくと、人は睡眠(SP)に向います。

これは胴体の皮膚温が低下し、末端の皮膚温が高くなればその温度差が縮まるからです。

 

一方、マイナス3度に近づけは、胴体の皮膚温は高くなり、末端の皮膚温が低くなるので、覚醒に向かいます。

つまり、寝る前には、いかに手足などの末端をポカポカと温かくするか、ということが大切なのです。

 

入浴と睡眠を1セットにすることが大切

 

これは、入浴法はもちろん、就寝までの時間にも関わっています。

理由1のような深部体温を上昇させる浸かり方をして、深部体温が上昇できれば、通常温度に下がるまでの時間がかかるので、就寝と入浴終了時間は60分ほどあけても問題ありません。

 

しかし、シャワーのみや、カラスの行水のような数分の入浴ですと、冬は特に大気が冷えているので、簡単に末端が冷えてしまいます。

ですからその場合は、入浴後「すぐに」ベッドへというのが正解となります。つまり、入浴と睡眠を1セットにすることが大切なのです。

 

さらに、入浴によってリラックス作用が高まると、副交感神経が優位になり、末端の血管が拡張して手足はポカポカと温かくなります。

緊張状態では、手足は冷たくなるので、理由1の深部体温の低下がうまくいかず、眠りの質が低下してしまいます。

 

だからこそ、入浴が大切になるのです。

 

(次回へ続く)

 

 

【新刊紹介】

『入浴の質が睡眠を決める』

著者:小林麻利子

発売日: 2020/12/14

発行所: (株)カンゼン 価格:1,760円(税込)
 
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