あなたは快眠できてますか?睡眠カウンセラーに聞く「眠りの質を食生活でアップする方法」【睡眠コンディションチェックつき】
2020年12月15日今年も残りはわずか。
多忙を極める年末、日々の疲れから来る眠気に悶えながら仕事に没頭する人も多いのでは?
ところで、睡眠の質と毎日摂取する栄養素に密接な関わりがあることをご存じでしょうか。
栄養と健康との関係、そして、睡眠が健康におよぼす影響については誰もが日々実感していることなのに、栄養素と睡眠との関係性について着目されることはこれまでなかったと言っていいかもしれません。
睡眠サイクルの質をあげる「BRAIN SLEEP PILLOW」
『成功する人ほどよく寝ている 最強の睡眠に変える食習慣』(講談社+α新書)は、栄養素の摂取の観点から質の高い睡眠を得るためのメソッドをまとめた1冊。
発売後すぐに重版されたことが、世のビジネスマンたちの関心の高さを表しています。
今回は、この本の著者である睡眠カウンセラーの前野博之さんにインタビュー。
食生活を改善することで睡眠の質をアップするためのいくつかの具体的なメソッドと、前野さんの知見や眠りについての個人的なエピソードを紹介していきます。
前野博之(まえの・ひろゆき)
栄養睡眠カウンセラー協会代表理事。1967年生まれ。大学卒業後、大手電機メーカーに入社し、家電製品の開発を担当。睡眠時間が4〜5時間というハードな毎日を続ける中で体調を崩し、健康の大切さを痛感。2005年に栄養学の資格を取得。プロスポーツ選手やモデルへのアドバイス、スポーツジムでのダイエットプログラム作成、病院での栄養指導を行うかたわら、栄養に関する講演を2500回以上行っている。健康の維持には栄養の改善だけでなく睡眠も重要であるとのことから最新の睡眠学を学び、栄養学を加えて独自の睡眠改善メソッドを構築、現在は栄養睡眠カウンセラーの育成を中心に活動中。
睡眠不足がずっと続く=「睡眠負債」がたまった状態
──前野さんの著書『成功する人ほどよく寝ている 最強の睡眠に変える食習慣』を読んで、正直怖くなったんです。睡眠を疎かにすることは人生を毀損しうる。しかも、その度合いが思いのほか大きいことに気づかされたといいますか。
前野:睡眠不足による1番の悪影響はパフォーマンスの低下で、とりわけ認知能力が下がることです。
本にも書きましたが、たとえば米国ペンシルバニア大学とオーストラリアの研究機関によれば、6時間睡眠を10日間続けた場合、ウイスキーをショットグラスに4杯飲んだ時と同じレベルまで認知能力が下がるんですよ。その論文を見た瞬間、とても恐ろしいと思いました。
──蓄積された睡眠不足のことを「睡眠負債」と表現していますが、負債がどれだけたまっているのか、本人は気づいていないというのが怖いですね。
前野:みなさん朝イチのコーヒー、カフェインで乗り切ってますからね。実際の話、かなり日常生活のパフォーマンスは落ちているんだけれど、何年にも渡って下がってきているから気づくことがない。
本当はみなさん、もっとパフォーマンスが高いはずなんです。なのに、結局は全員が落ちてしまっている状態なんですよ。
──つまりは、「誰もが本来持っているパフォーマンスを出し切れていない」ということですよね。その人にとっても世の中にとっても、すごく残念な状態に陥っているのが現状であるという。
食生活を変えれば「睡眠の質」が変わる
──著書の『成功する人ほどよく寝ている 最強の睡眠に変える食習慣』は、日々の食生活、栄養素の摂り方の観点から睡眠の質を向上させることを目的とした本ですね。食事と睡眠に関係があるとはまったく思っていなかったので、非常に新鮮に感じました。
前野:睡眠の質はさまざまな要因で低下するんですが、その中でも影響が大きいのは「睡眠ホルモン」と呼ばれるメラトニンの不足なんです。
それを決めるのが栄養素。まずはメラトニンをきちんと分泌できるようになるようカラダを整えていく。ここがスタートになります。
──睡眠の質にはホルモンの代謝の状態が大きな影響を及ぼす。そこを改善するために、栄養素からアプローチしていくということですね。
前野:そういうことになります。
横向き寝まくら「YOKONE Classic(ヨコネ クラシック)」
自分の睡眠の状態のチェックしてみよう
次回からは、睡眠不足から来る不調の具体的な事例とその改善について、前野さんのメソッドを紹介します。
ですがその前に、睡眠不足への対処のために、今の自分の状態を知っておく必要があります。
睡眠栄養指導士協会が作成した下のチェックリストを使って、自分の睡眠コンディションを確認してみてください。
□ 寝つきは5分以内である
□ 朝スッキリ起きられず、もっと寝ていたいのに……と思いながら目覚める
□ 午前中は集中力が低く、仕事がはかどらない
□ 電車で座れたら、うたた寝をしてしまう
□ 休みの日に予定がなければ、平日より2時間以上長く寝てしまう
□ 風邪などひきやすく、治るのに時間がかかる
□ 会議中は眠気と闘うことが少なくない
□ ソファなどで気がついたら寝ていたということが週2回以上ある
□ 眠気覚まし用のガムやタブレット、カフェイン飲料が手放せない
□ 年間3kg以上体重が増えている
前野さんによれば、「10の質問のうち2つ以上当てはまった人は要注意。5つ以上当てはまった人は、早急な対策が必要です」とのこと。
あなたの睡眠、大丈夫ですか?
目指したのは、首に負担のかからない枕です。 スリープマージピロー
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