筋トレ中も「全集中の呼吸」を! 筋トレの効果をさらにアップさせる“正しい呼吸法”を学びたい
2020年11月13日筋トレ中に力みすぎたりして息を止めてしまっていることはありませんか?私は腹部のメニューをしている時に、無意識にそうなってしまっていることがよくあります。
筋トレは無酸素運動だと言われますが、実は呼吸がとても大切です。
全神経を呼吸に集中し、丁寧に「吸う・吐く」ができれば、筋肥大の効果はさらに上がります。
最近の流行りの言葉ではありませんが、まさに筋トレこそ「全集中の呼吸」がもっとも大事なトレーニングだと言えます。
今回は筋トレ時の正しい呼吸方法について解説いたします。
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筋トレの正しい呼吸法とは? 3つのポイント
筋トレ時に正しい呼吸をするには、3つのポイントがあります。
- 力を入れるときに吐く
- 鼻で吸って口で吐く
- 基本的に胸式呼吸で行う
これらのポイントについて確認しましょう。
動きに合わせて吸う・吐く|逆になったら?
呼吸のタイミングは、
→負荷がかかる・力を入れる動きのときに息を吐いて、
→負荷が減っていく・力が抜けるときに息を吸います。
息を吐くときには体幹が安定します。
体幹が安定すると力を入れやすくなります。そのため、力を入れる動きで息を吐くようにします。
吸う・吐くのタイミングについて「伸びる動作/縮む動作」の表現を使った説明をよく見かけます。しかし伸びる動作で力が入るメニューも、縮む動作で力が入るメニューもあります。
ちょっと紛らわしいので、「負荷がかかるかどうか」「力を入れるかどうか」で覚えた方が間違いにくいと言えます。
なおタイミングが逆になってしまうと、パフォーマンスが下がり効果も低くなってしまいます。
腹筋を鍛えるトレーニングの場合はとくに注意しましょう。
とは言えそれほど神経質になる必要はありません。呼吸を止めてしまう方が問題なので、まずは呼吸を止めないことが第一です。
鼻と口どちらを使うか|鼻で吸って口で吐く
呼吸をするときは、鼻から吸って口で吐くのが基本です。
鼻から息を吸うと、空気が鼻腔の中で加湿され温められます。その空気を体内に入れることで体を温めることができます。
また口で吐ききることで、次に鼻からたっぷりの酸素を吸い込むことができます。
ただし、鼻より口から吸った方が多くの酸素を取り入れることができます。負荷の高いメニューを行っているときは口呼吸の方がよい場合もあります。
【参考記事】
Oral versus Nasal Breathing during Moderate to High Intensity Submaximal Aerobic Exercise
腹式呼吸か胸式呼吸か|胸式呼吸が基本
呼吸方法には腹式呼吸と胸式呼吸がありますが、筋トレでは基本的に胸式呼吸で呼吸します。
胸式呼吸は、お腹を動かさず肺や肋骨を動かすイメージで呼吸する方法です。
これに対して腹式呼吸は、呼吸に伴いお腹が膨らんだりしぼんだりする方法です。
胸式呼吸で呼吸すると、腹式呼吸のときに比べて交感神経が優位になります。
トレーニングには交感神経が活性化した状態が適しているため、一般に胸式呼吸が勧められています。
ただし負荷の高いメニューを行うときは腹式呼吸の方がお勧めです。腹式呼吸の方が体内に取り込める酸素が多く、パワーが必要となる負荷の高いメニューに適しているからです。
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筋トレ中に呼吸を止めるのはNG! 呼吸の意味とは?
筋トレ中に呼吸を止めるのはNGです。危険なのでやめましょう。
さらに、吐くだけになったりしないよう、吸う・吐くの両方を意識して、集中して行うようにしましょう。
また、必ず息を止めないようにしてトレーニングを行いましょう。
筋トレは無酸素運動、ジョギングは有酸素運動と言われます。
無酸素運動では筋肉を動かすのに糖が使われ、酸素は不要です。そうは言っても無酸素運動をしている時は呼吸していないという意味ではありません。
筋肉は酸素を使いませんが、ほかの器官は酸素を必要としています。呼吸を止めてのトレーニングは血管や心臓に負担がかかります。その結果血圧が高くなる可能性があります。またひどい場合には酸欠の原因になり得ます。
たしかに負荷がもっとも高くなるときに息を止める「バルサルバ法」という呼吸法があります。
しかしこれは上級者向けの呼吸法なのでお勧めしません。筋トレは無酸素運動ですが、呼吸を止めずに行うよう意識しましょう。
【参考記事】
・エアロビクス / 有酸素性運動|身体活動・運動|健康用語辞典|e-ヘルスネット
筋トレメニュー別・正しい呼吸の仕方
メニュー別に正しい呼吸方法を確認します。基本は先に述べたとおりです。
負荷のかかるときに口から吐き、負荷が軽くなるときに鼻から吸います。肺と肋骨を使う胸式呼吸で行います。
「負荷のかかるとき」とは「力を入れるとき」のことです。より具体的には、以前お話を伺った坂詰真二さんの記事中の「上昇動作」に当たります。
重力に逆らって身体を上に持ち上げる動きのときには、筋肉に負荷がかかっていますよね。上昇動作で息を吐きましょう。
スクワットの呼吸法
スクワットでは、しゃがむ下降動作で息を吸い、立ち上がる上昇動作で息を吐きます。
筋トレでは胸式呼吸が基本ですが、スクワットの場合は腹式呼吸の方がお勧めです。腹式呼吸を行うと腹圧(お腹の「腹腔」にかかる圧力)が高まります。それにより体幹が安定し、背筋への負担が軽減されるからです。
こちらの記事でスクワット時の呼吸方法についてもお話しいただいています。
腹筋(クランチ)の呼吸法
腹筋(クランチ、シットアップ)では、身体を起こす上昇動作で息を吐き、もとに戻る下降動作で息を吸います。基本の通りですね。
こちらの記事で、腹筋運動をやるときの呼吸法についてもお話しいただいています。
腕立て伏せ(プッシュアップ)の呼吸法
腕立て伏せ(プッシュアップ)では、腕を曲げて身体を地面に近づける下降動作で息を吸い、腕を伸ばして身体を持ち上げる上昇動作で息を吐きます。
「伸びる動作/縮む動作」でタイミングを覚えていると、紛らわしくて間違えやすくなってしまいます。しかし「負荷のかかる動作/負荷の軽くなる動作」「上昇動作/下降動作」で覚えておけば間違えることはありません。
こちらの記事で腕立て伏せを行うときの呼吸方法についてもお話しいただいています。
ベンチプレスの呼吸法
いわゆる「ゴリマッチョ」を目標に高負荷のトレーニングをしているのでなければ、基本どおりに行います。
バーベルやダンベルを持ち上げる上昇動作で息を吐いて、下ろす下降動作で息を吸います。
ベンチプレスの呼吸については諸説あり、定説がまだないようです。
ダイエットや健康目的、細マッチョ目標での筋トレであれば基本の呼吸方法で問題ありません。
全神経を集中し、正しい呼吸法で筋トレを
筋トレと呼吸についてまとめました。
そもそも無酸素運動の筋トレで呼吸が大切ってどういうこと? と思われたかもしれません。
しかし筋トレを行っている間も酸素は必要です。
正しい呼吸法を身につけて、自分の呼吸に全神経を集中させ、より効果的なトレーニングを行っていきましょう!
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