【毎日の筋トレは逆効果?】もっと効果的に筋トレするためのメニュー構築法【回数・負荷・順番・時間】
2020年06月05日そもそも筋トレの目的でトレーニング方法が違う
こんにちは。筋トレ栄養士のカトジュンです。皆さんはトレーニングをする時、何か目的や目標はありますか? それぞれ、
・痩せたい
・健康的になりたい
・ムキムキになりたい
などがあると思います。
ひとくちに筋トレと言っても、その目的に応じてトレーニング方法やメニューは異なります。
例えば、足を鍛えるのが目的なのに、腕のトレーニングをしても意味はないですし、なかなか目標にしていた効果は得られないですよね。
では、目的によってどんな筋トレの方法やメニューがあるのか、一緒に見ていきましょう。
目的①:ダイエットのために筋肉量を増やし、基礎代謝を上げたい場合
皆さんはダイエットを行う時、筋トレとジョギングなどの有酸素運動、どちらが大事だと思いますか。
これにはいろいろな考え方がありますし、もちろんどちらも大事、と言ってしまえば簡単なのですが、もしトレーニングの時間がないなど、どちらかを優先しなければいけないときは、まずは筋トレから行うようにしましょう。
それはなぜか。
簡単に言うと、筋肉量が増えることで基礎代謝が上がるから。
基礎代謝が上がるということは、カラダのエネルギーの消費量が上がる、ということ。言わば、カラダに排気量の大きなエンジンを積んでいる状態だと言えます。
大きなエンジンを積んでいるということは、アイドリングしている時でも大きなエネルギーの消費がある、とイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。
つまり、筋肉量を増やす=基礎代謝が上がる=ダイエットに繋がる……というわけ。
目的②:年齢とともに落ちてきた筋力を回復させたい・若さを保ちたい場合
昔は大丈夫だったのに、階段を上ると息が切れたり、すぐに疲れやすくなった、などの経験はありませんか。
健康維持、若さを保つトレーニングは、ジムに通わなくても、日常生活のなかで補うことが出来ます。車・電車を使わず歩く、エレベーターを使わずに階段を使う、など。
そこに、自宅でできる簡単なトレーニングをプラスすると、より効果的です。ダイエットの時と同じように、筋肉量の多い下半身・胸・背中を中心にトレーニングを行い、負荷は小さめ。1セット20回程度のレップ数で行います。例えば、浅めのスクワット、膝つきの腕立てなど。
低強度・高回数のトレーニングにより、筋持久力アップを目指します。日常生活では、軽い負荷を繰り返す動作が多いため、筋持久力を高めれば、疲れにくい体作りに繋がり、若さを保つ秘訣になります。
目的③:筋力を向上させて競技スポーツなどに役立てたい(持久力・瞬発力)場合
競技スポーツのトレーニングには、神経系発達のための最大筋力アップのトレーニングや、プライオメトリクスといった、瞬間的なパワー引き出すトレーニングが必要となってきます。
最大筋力をアップさせるためのトレーニング方法は、1セット1回~5回の超高強度・低回数のトレーニングを3セット程度行います。
これは自重で追い込むのは難しいため、ダンベルなどの器具を使ったり、ジムで行う方が良いでしょう。
セット間の休憩は2~3分長めにとります。また、1人で行わず補助をつけるのがオススメです。
次に、プライオメトリクストレーニングは、瞬発力を高めるのに適したトレーニングです。
飛ぶ、投げるなどの動作を伴うものが多く、自重のもの、道具を使ったものがあります。具体的にはジャンピングスクワット、ジャンピングプッシュアップ、ボックスジャンプ、メディスンボール投げなどです。
最大筋力アップ、プライオメトリクストレーニングを行い、競技スポーツに役立て、エースとなりましょう。
目的④:筋肥大させてムキムキのマッチョを目指したい場合
誰だって一度は憧れてしまうムキムキマッチョボディ。皆さんの筋肉は、日々大きくなっていますか?
筋肥大させたい場合のトレーニング方法としては、高強度・低回数のトレーニングで、1セット6回~10回を3セット~5セットが目安となります。
また、セット間の休憩を長くすると成長ホルモンの分泌が促進しにくいため、30秒~60秒にしましょう。
さらに筋肥大を狙うトレーニングとしてスーパーセット法があります。大胸筋を鍛えた後、広背筋を鍛えるなど、対となる反対側の筋肉を休憩を取らずに鍛えます。
2種目のトレーニングを1セットで行い、そのセット間は1分ほど休憩をとります。対となる筋肉を連続で鍛える高強度トレーニングにより、筋肥大と、時間短縮を狙えます。
ムキムキマッチョになる方法がわかったら……そう、後はやるだけです!
効果的に筋トレするための頻度は毎日? 週2回でいいってホント?
効果的にトレーニングするための頻度は、部位別で時間が取れるようであれば毎日でも大丈夫です。また、トレーニングの時間を取るのが難しければ、週2回でも大丈夫です。出来るようであれば全身をトレーニングしましょう。
トレーニングを行なうと筋繊維がダメージを受けます。その後、休息と栄養を補給することにより、以前より強い筋繊維となり、筋力アップ・筋肥大に繋がります。これを超回復といいます。
超回復は部位によって異なり、その回復に24時間~72時間かかります。そのため、週2回の場合、2日続けて行うのではなく、2、3日空けてからトレーニングすると良いでしょう。
飲んだり遊ぶのを少し我慢して、トレーニングに時間をあてませんか?
効果的に筋トレするためのメニューの組み立て方
ここまでで目的に応じたトレーニングにどんなものがあるかが分かったと思います。
また、目的に応じたトレーニングを行わないと効果が得られにくく、時間がかかる、怪我をしやすいなどのデメリットがあります。
さらに効率よくトレーニングを行うため、負荷・重さ・強度についてや回数の考え方、トレーニングをする際の動作スピードについて見ていきましょう。
筋トレの「負荷・重さ・強度」をどう考えればいいか
筋肉量を増やすには、大きい筋肉を鍛えると効果的です。また、大きい筋肉はエネルギーを多く消費するため、そのトレーニングそのものが、カロリーを多く消費します。
ダイエットのための筋トレは、大きい筋肉である下半身、背中、胸を中心に、1セット12~15回のレップ数、3~5セットのトレーニングが効果的です。
ジムやダンベル使うと効率的ですが、自重でも十分行えます。
また、最大筋肉量の65~67%にあたる12回~15回で行うと、筋肉量を増やしつつ、筋持久力のアップと、カロリー消費に繋がり、ダイエットに効果的です。目指せ、激変!
負荷に関しては、トレーニングの原則に過負荷の原理というものがあり、いつも同じ負荷で行っていては慣れてしまい、成長しないというものです。
まずは少しきついと感じる負荷で行い、慣れてきたら負荷は上げていきましょう。
もっとも効果的な「筋トレの回数」の考え方
・回数に関してはより重い重量を上げるといった最大筋肉量のアップは1~5回
・筋肉を大きくする筋肥大を狙う場合は6~12回
・筋力維持、引き締め、筋持久力のアップを狙う場合は15~20回
と、回数によってトレーニングの効果が変わってくるため、目的やトレーニング時期に合わせて、その回数が出来るかが大切になっていきます。
回数を決めるのではなく、回数によるトレーニング効果の違いを理解し、柔軟に対応していきましょう。
最近よく聞く「オールアウト」ってなに?
オールアウトはその名のとおり、全力を出しきり、回数や重さを上げて、「これ以上はもう無理!」と、動かせないギリギリ限界まで追い込むことです。
高強度のため、目的達成の近道となりますが、そのぶん負荷が高く、怪我をしてしまう危険性も高いです。また、筋肉痛によりトレーニングがスケジュールどおり行えない可能性もあるので、行う際には補助をつけるなど、注意しながら行う必要があります。
オールアウトまで追い込みたい時は、トレーナーや上級者などからアドバイスをもらいながら、無理のないトレーニンングをするようにしましょう。
もっと筋トレを効果的にするための動作スピード
トレーニングをする時、動作スピードまで考えてトレーニングしたことはありますか?
『はい』と答えた方は少ないんじゃないでしょうか。トレーニングや回数はもちろん必要ですが、動作スピードを意識するとよりトレーニングの効果を発揮出来ます。
力を発揮する時、持ち上げる、引くなどの動作の時は素早く1~2秒行い、下げる、戻すなどの動作の時は3秒くらいゆっくり行うと効果的です。下げる、戻すなどの筋肉が伸びる動作(エキセントリック)は、筋肉が縮む動作(コンセントリック)より負荷が高くなります。
また、低負荷の自重トレーニングでも、ゆっくりの動作(スロートレーニング)で行なうことで負荷を高められると言われています。
どの部位から、どの順番で鍛える? 筋トレメニューの組み立て方
筋トレのメニューを組み立てる時、どのように考えればいいでしょうか。
まずは「筋肉量が多い順番」にトレーニングすることを意識しましょう。
たとえば下半身、背中、胸、腕……と、筋肉量の多い順序で鍛えていきます。
さらに、どのメニューから優先すべきなのかも考えると効果的。筋肉に負荷をかけるトレーニングには、大別すると「単関節運動」と「多関節運動」があります。
トレーニングの初めは一度に多くの関節と筋肉を使う、「多関節運動」から行うと効率的です。
例えばスクワットの場合、股関節と膝関節、足関節を動かすため、多くの筋肉を鍛えることができ、下半身全体に効果がある「多関節運動」になります。
しかし、レッグエクステンションなどのトレーニングだと、1つの関節しか動かしていない「単関節運動」となり、ほぼ大腿四頭筋のみを鍛えることになります。
そのため、トレーニングは「多関節運動」から優先して始めるのがいいでしょう。
また、鍛えたいメインの筋肉と、補助筋を分けて考える必要があります。
下半身全体を鍛えたいのに、先にレッグエクステンションで大腿四頭筋のみを鍛えてしまうと、先に疲労する筋肉の箇所ができてしまうため、スクワットをする時に全力を発揮することが出来ません。
ここまでのポイントをまとめると、
・大きい筋肉から鍛える
・単関節運動よりも多関節運動を先に
・どの場所を一番鍛えたいか意識する
……が大事になってくると言えるでしょう。
【参考記事】
- 厚生労働省 e-ヘルスネット:運動プログラム作成のための原理原則 -安全で効果的な運動を行うために
- 厚生労働省 e-ヘルスネット:QOLの維持・向上に大切な筋肉は?
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