「プロテインの飲み過ぎ」は太る? 下痢になる? 肌荒れする?  気になるプロテインの噂を調べてみた
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「プロテインの飲み過ぎ」は太る? 下痢になる? 肌荒れする? 気になるプロテインの噂を調べてみた

2021年06月11日

プロテインを飲み過ぎるとどうなる? 噂を検証

「プロテインを飲み過ぎるとどうなるの?」

筋肥大させてたくてしっかりタンパク質を摂ろうと思うと、プロテインをついついちょっと多めに飲んでしまったりしますよね。なんでも摂り過ぎは体に悪いはず。

そういう意味ではやはりプロテインも飲み過ぎはよくありません。でも、もしも飲み過ぎたらいったいどんなことが起こるのでしょうか? 今回は、プロテインの飲み過ぎについて気になる噂を調べてみました。

 

そもそもプロテインは体に悪い?

そもそも「プロテインは体に悪い」という噂もありますよね。

初めに言ってしまいますが、プロテインそのものは体に悪くありません。適切な飲み方で、たくさんのメリットが得られます。そこは安心してくださいね。

 

ここでは、飲み過ぎた時の噂を調べて検証します。というわけで、以下は「安全なプロテインでも飲み過ぎるとどうなるの?」についてのお話です。

 

▼合わせて読みたい

【ダイエット・筋トレ】プロテインはいつ飲むのがベスト? 目的別にタンパク質摂取のタイミングをまとめてみた

 

噂①太る→ありうる

 

プロテインを飲み過ぎると太る可能性があります。「プロテイン+食事」の摂取カロリーが「基礎代謝+運動による消費」の消費カロリーを上回ると、カロリーオーバーになって太ります。

 

プロテインはタンパク質が主成分です。また糖分がプラスされているものもあります。牛乳でパウダーを溶かすなら、牛乳の脂質も摂取することになります。タンパク質・糖質・脂質、どれにもカロリーがあります。

 

また、飲む量も考えなくてはいけません。1杯のカロリーが低くても、1日に何杯も飲むのなら、トータルのカロリーはそれなりになるのではないでしょうか?

 

プロテインそのものでは太りません。

しかし、プロテインを含めた摂取カロリーと消費カロリーのバランスによっては太ります。「パウダー+溶かすものの1杯のカロリー」×「1日何杯飲んでいるか」=「トータルのカロリー」を計算してみましょう。

 

噂②下痢になる→ありうる

 

プロテインが原因で下痢になる場合があり、そのもっとも多い理由は「乳糖不耐症」です。ホエイプロテインやカゼインプロテインは牛乳が原料です。

牛乳に含まれる「乳糖」をうまく消化できず消化不良・下痢を起こしてしまうのが乳糖不耐症です。人によっては、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしますよね。それと同じです。

牛乳でお腹をこわすタイプの方は、大豆由来のソイプロテインに切り替えてみましょう。

 

次に考えられる理由は、腸内環境の悪化です。

特に動物性のタンパク質を摂取すると、腸内の悪玉菌が増えてしまいます。そのせいで腸内環境が悪化し、消化不良を起こしている場合があります。

食物繊維や発酵食品を意識して摂りましょう。

また、プロテインに含まれる甘味料などが原因の場合もあります。もしも下痢が続くようでしたら、プロテインを変えてみるのをお勧めします。

 

【参考記事】「乳糖不耐症」と「牛乳アレルギー」|長野県医師会

 

噂③肌荒れする→ありうる

 

プロテインを飲み始めたら肌が荒れたという話を聞くことがありますが、確かにそうなる可能性があります。はっきりした原因はまだ特定されていないものの、ホエイプロテインが原因の可能性が指摘されています。

 

ホエイプロテインを飲むと男性ホルモンが増えます。その結果、皮脂が過剰に生成されてニキビなど肌荒れの原因になるというものです。この場合は、大豆由来のソイプロテインに切り替えると解決するでしょう。

 

そのほか人工甘味料が含まれるプロテインの場合、それが原因になっている可能性もあります。人工甘味料によって腸内環境が乱されて悪玉菌が増えます。その結果、悪玉菌が生む有害物質が体に吸収されてしまいます。

すると有害物質を肌から排出しようという働きが起こり、このとき老廃物が角質・皮脂と結びついて肌荒れになるケースです。人工甘味料が入っていないものを選びましょう。

 

【参考記事】便秘、肌荒れ、肥満…… その不調、「腸内細菌」が原因かも!?|社会福祉法人恩賜財団済生会

 

噂④便秘になる→ありうる

 

下痢になる可能性と同様、便秘になる可能性もあります。

タンパク質を摂ると腸内の悪玉菌が増え、腸内環境が悪化します。その結果便秘になってしまうことがあるのです。

食物繊維や発酵食品、水分を意識して摂って、腸内環境を改善したり老廃物を排出しやすくしたりしましょう。

 

噂⑤腎臓に負担・尿結石→リスクはゼロではない

 

これらのリスクもゼロではないので、腎臓や肝臓に不安がある人は注意しましょう。

不要なタンパク質は分解されて尿素窒素として体外へ排出されます。そのとき排出を担う腎臓(や肝臓)に負担がかかってしまいます。

 

尿結石のリスクが高まる可能性もあります。動物性たんぱく質を過剰摂取すると、尿結石となるシュウ酸が増加します。ふつうシュウ酸は腸で吸収されて便として排出されます。

しかし過剰摂取で吸収しきれない分が発生すると、尿として排出されることとなります。その結果、尿結石になるリスクが高くなります。

 

ただしどのぐらい過剰摂取するとリスクが高まるかなど、わかっていないことが多いのも事実です。海外の研究ですが、「悪影響はない」という論文もあるぐらいです。

 

【参考記事】A High Protein Diet Has No Harmful Effects: A One-Year Crossover Study in Resistance-Trained Males|Journal of Nutrition and Metabolism|Hindawi

 

噂⑥頭痛になる→プロテインのタンパク質が原因のことはない

プロテインのタンパク質が原因で頭痛になることはありません。

ただし、添加物や人工甘味料などのせいで頭痛を感じる可能性はあります。

痛みがあるときは、プロテインを変えて様子を見てみましょう。

 

「プロテインの摂り過ぎ」の目安とは

タンパク質の摂り過ぎの量を確認する前に、1日の必要量の目安を確認します。

食事・プロテイン合わせた1日のタンパク質摂取量の目安は、筋トレをしていない人で体重×0.66gです。体重60kgなら、60×0.66=39.6gです。

筋トレしている人の目安は体重×1.5~2gと言われます。同じく体重60kgなら、60×1.5~2=90~120gとなります。

 

リスクが高まる量については、まだはっきりせず定説がないようです。しかし、体重×2.8g以上だと結石のリスクがあるとする説もあるようです。体重60kgなら60×2.8=168gということになります。

 

定説はありませんが、自分の状況に応じた摂取量の目安にとどめるようにしましょう。

またプロテインはあくまで食事で摂り切れないタンパク質を摂取する補助的な方法として活用するのが基本です。

プロテインに頼りすぎないようにしましょう。

 

プロテインはあくまでも「補助のタンパク源」と考えよう

 

タンパク質は食事から摂取するのを基本にして、プロテインはあくまで補助のタンパク源と考えましょう。適量であればまったく問題はありません。

安心してボディメイクに取り入れてください。

 

もしも多少飲み過ぎたとしても、急に身体に深刻な影響が出ることはそうありません。うっかり飲み過ぎてしまった時もあまり気にせず、次は適切な量にとどめるようにしましょう。

ただし体の不調が続く時はこの限りではありません。心配な時はためらうことなく医者の診断を受けましょう。