夏風邪の予防には「大椎」のツボ。 ドライヤーの温風をこのツボにあてれば「お灸」の効果も
2020年07月20日夏の「扇風機の風」や「クーラーの風」は不調の原因?
雨の日が続いているので最近は涼しいくらいですが、少し前までは、晴れたら随分と暑い日が続いていました。
これから扇風機や冷房を使う機会も増えてくることでしょう。
そんな季節、これから気をつけたいのが「風邪」です。
京都でお灸専門の治療院「お灸堂」を開業している、鋤柄誉啓先生(お灸堂院長)に聞いてきました。
鋤柄 誉啓(すきから たかあき)
愛知県出身。はり師、きゅう師(国家資格)。明治鍼灸大学(現明治国際医療大学)の鍼灸学部を卒業後、鍼灸師として京都で活動。大学卒業後京都の鍼灸整骨院、鍼灸治療院を経て独立。2016年6月に関西発のお灸専門サロン「新町お灸堂」を開院。お灸で「冷え」「疲労」「痛み」「体質改善」に取り組んでいる。
Twitter:@sinmachi_okyudo
――「夏風邪」という言葉もありますが、これからの季節で風邪を予防するための方法を教えてください。
鋤柄先生:暑い時期でも、クーラーや扇風機の風にあたるのが苦手な方がいらっしゃるかと思います。東洋医学では「風邪(ふうじゃ)」と呼びますが、この病気の典型的な症状として「風をいやがる」という状態をあげています。元気なときには心地よく感じる風も、身体が弱っているときは体をしんどくさせる原因になるのです。
風邪のサイン「首や背筋のあたりがゾクッとする」を見逃すな
――普段からの養生が肝心ということですね。風邪予防には、どんなツボがありますか。
鋤柄先生:特に気を付けたいのは「うなじから後頭部にかけてのエリア」です。このエリアには、風池(ふうち)や風門(ふうもん)といった風邪にまつわるツボが多いところです。東洋医学の観点では、昔から、特にこのあたりから、風邪が侵入してくると考えられていたわけです。
――たしかに、風邪の引きはじめって、うなじから後頭部にかけてのエリア、首や背筋のあたりがゾクッと寒くなることがあるかも……。
鋤柄先生:それがまさに養生のサインです。そんなときは、首にある大椎(だいつい)というツボを使いましょう。首を下に曲げた時に大きくでっぱる背骨があるかと思います。そこの下側あたりが大椎の場所になります。このあたりのツボを押して、首まわりの血行を促進させてください。
ドライヤーの温風をあてて「お灸」の効果も
――大椎にツボ押しすれば、風邪予防になるんですね。
鋤柄先生:さらに、よい方法がありますよ。このあたりにお灸がわりにドライヤーの風をあてて温めるんです。大椎のあたりにドライヤーを当てていると、不思議なことに、背中や肩全体がホクホクと温まってきます。そうなったら、OKです。風邪のひきはじめは、肩もこりやすくなります。そのあたりのケアにもなるので、おススメです。
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首まわりが冷えやすい場合は、首まわりにてぬぐいを巻く、ショールを羽織るのもよいとか。
「扇風機なども直接あたるものではなく、空気を循環させるサーキュレーターなどを使うと、身体が風にさらされません」と鋤柄先生。
そんな体が喜ぶ工夫をしながら、夏の養生をそろそろスタートさせませんか?
【監修】
鋤柄誉啓先生(お灸堂院長)
【取材協力】
お灸堂
住所:京都府京都市下京区平野町787-1
TEL:075-203-7601