運動不足なデスクワーカーの腰痛をやわらげる方法。「足湯(あしゆ)」と「崑崙(こんろん)」
2020年07月07日座りっぱなしの時間が増えて、腰に違和感が……
前回は、肩こり体質なデスクワーカーへのセルフケアをご紹介しました。
今回は肩こりに続いて、やっぱりデスクワーカーに多い腰痛についてです。ぼくの場合はもっぱら肩こりなのですが、さすがに、今年の4月からリモートワークばかりで座る時間が増えると、腰にも違和感が出てきました。
京都でお灸専門の治療院を開業している、鋤柄誉啓先生(お灸堂院長)は、リモートワークによる身体への影響は意外と幅広く現れるといいます。
鋤柄先生:リモートワークをしているとオフィス内でのちょっとした移動も少なくなり座りっぱなしの時間が増えてきます。長時間の座りっぱなしの弊害にはいろいろあって「首や腰が痛くなる」「身体の筋肉が固まる」といったこと以外に、「呼吸が浅くなる」「頭がぼーっとする」「ストレスを感じやすくなる」という影響も考えられます。
そもそも、座っている時間が長いと、正しい姿勢がとりにくくなりますからね。心身にさまざまな面で弊害をもたらすことになります。
――座ること自体が「休憩」の意味合いが強いので、とりたてて意識してなかったけれど、知らず知らずのうちに身体に負担をかけているんですね。最近はスタンディングデスクも注目されてるもんなあ。
鋤柄先生:いろいろある座位の影響のなかでも多いのが、腰痛ではないでしょうか。慢性的なこりや痛みがあると仕事のパフォーマンスが低下します。弊院でも多いお悩みの一つですよ。ご家庭での対処をご説明いたしましょう。
――家でできるのはありがたいですね、ぜひお願いします!
腰痛のセルフケア「足湯(あしゆ)」と「崑崙(こんろん)」のツボ
鋤柄先生:腰のトラブルは足へ派生します。腰からだんだんと足が張るようになったという人や。やたらと足が冷えるという人もいらっしゃいます。風呂桶に40度前後のお湯をためて足首ぐらいをつけて足湯をしましょう。風呂桶はすぐにさめるのでやや熱めにいれるか、冷めたら差し湯をするとよいですね。
――たしかに、ぼくはよく治療家の先生に「ふくらはぎがこっている」と言われます。足から腰、腰から肩へと症状が広がっているのかもしれない……。
鋤柄先生:全身は一つのユニットですからね。腰痛に対してツボを刺激する場合に、よく使うのは崑崙(こんろん)というツボです。崑崙というツボは足の太陽膀胱経というルート上にあるのですが、これは足から背骨の両脇後頭部などをつないでいます。ほぐしたり、温めたりすると、腰の曲げ伸ばしが楽になりますよ。ぜひあわせてお試しください。
こんなところに、くぼみなんてあるのかなあ……と思って、触ってみたら、確かにコリコリしている場所が! 押すと「痛気持ちいいところ」があるはず。
腰痛が気になる人はぜひ、このツボをこまめに押したりほぐしたり、足湯につかったりして、足へのセルフケアから始めてみてください。
次回は、風邪や疲労についてのお話です。
季節の変わり目は、体調を壊しやすいですから……。お楽しみに!
【監修】
鋤柄誉啓先生(お灸堂院長)
【取材協力】
お灸堂
住所:京都府京都市下京区平野町787-1
TEL:075-203-7601