【運動不足解消】自宅でできる有酸素運動「エア・ウォーキング」は動脈硬化や高血圧の予防にも効果的
2020年06月22日「宅トレ」#05 有酸素運動で「循環器」と「呼吸器」を鍛えよう
自宅で仕事をしているテレワーカーにとって、体力と体型の維持は重要なテーマ。
外出を控え、室内で活動する毎日が続くと、筋力だけでなく循環器、呼吸器の機能低下が生じます。コロナ渦がいったん落ち着いてきたとはいえ、心臓や肺などの健康維持には気を抜けません。
でも、大丈夫。
お家でも、やり方次第でジムに通うのと遜色ないトレーニングができるんです。
カラダチャンネルでは、この4月に新著『今日から自宅がジムになる 「宅トレ」』(カンゼン)を上梓したばかりのNSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリストであるパーソナルトレーナー・坂詰真二さんに、自宅室内で簡単にできるエクササイズ5種類を教えていただきました。
- 著者: 坂詰真二
- 発売日: 2020/6/9
- 発行所: (株)カンゼン 価格:1,540円(税込)
坂詰さんが提唱する「宅トレ」とは、自宅にいながら体ひとつでできて、ジムで行うのと同様の効果を得られるトレーニングのこと。
大手ジムでの勤務を経て独立。トレーナーとしての長年にわたるキャリアのなかで、試行錯誤を重ねながら作り上げた、坂詰さん独自のトレーニング術なんです。
有酸素運動で鍛える「心臓の筋肉」
──家の中で過ごす生活を続けていると、心肺機能が落ちていくことが心配です。公園などのオープンスペースで歩いたり走ったりもできなくはないのですが、なんとなくその気にならないといいますか、気がとがめる感じがすることもあって。
坂詰真二さん(以下・敬称略):脚や腕の筋肉と同様に、心臓の筋肉も運動をしなければ衰えて、血液を送り出す力が弱まってしまいますからね。逆にカラダを動かせば心臓を鍛えることができるわけですが、そのために最適なのが、全身を適度な強度でリズミカルに動かす有酸素運動です。もちろんこれも、お家の中でトレーニングできます。
──部屋の中でも十分な効果が得られるエクササイズはありがたいです。心肺機能の維持と向上は、とりわけ現在のような状況下では大切になると思いますので。
坂詰:有酸素運動は血管の弾力性も保つので、動脈硬化や高血圧といった生活習慣病の予防にもなります。毛細血管の数も増えてカラダの細部まで酸素と栄養が行き届くようになり、細胞の若さも保たれやすくなりますし、冷えも改善されます。
たくさんの酸素が体に取り込まれるので、肺の能力も鍛えられて丈夫になりますよ。
「エア・ウォーキング」で健康な心肺を作る
「宅トレ」メソッドの最終回は「エア・ウォーキング」。
坂詰:上り坂を歩くさいの体の動きを摸したエクササイズです。足を前後に開いてリズムカルに屈伸をしながら、腕を前後に振るのがポイントです。ミドルテンポの好きな音楽をかけながら体を動かすと楽しいですよ。
基本は1分ですが、長く行うほど効果的です。本の中では、「エア・ウォーキング」を含めた6種類の運動を組み合わせたサーキット有酸素運動を紹介していますので、ぜひ、参考にしてくださいね。
ステップ①:足を前後に1歩ぶん開き、バトンを持つように腕を振る
▲足を前後に一歩分開いて両ひじを伸ばし、後ろのかかとを上げる。ひじを直角に曲げて足とは逆方向に振って構える。背すじを伸ばし、バトンを持つように手を軽く握る。「イチ、ニイ」で両ひざを曲げながら体を沈めて左右の腕を体側に近づける。
ステップ②:両ひざを伸ばしながら、腕を開始姿勢と逆方向に
▲「サン、シイ」で再び両ひざを伸ばしながら、腕を開始姿勢と逆方向に振る。続けて屈伸をしながら腕を逆方向に振って1往復。「①⇒②⇒③⇒②⇒①」の動きを30秒繰り返したら、前後の足を入れ替えて同様に30秒繰り返す。1往復の時間の目安は4秒。1分間で30回屈伸することになる。
ウォーキングを模した動きでありながら、2倍もカロリーを消費する「エア・ウォーキング」。
これなら狭いスペースでも体に適切な負荷を加えられそう。
最終回となる(第6回)は、坂詰さんへのインタビュー。「宅トレ」の誕生秘話から、体に効く理由、なぜいま「宅トレ」なのかについて、より突っ込んだお話をうかがいます。
- 著者: 坂詰真二
- 発売日: 2020/6/9
- 発行所: (株)カンゼン 価格:1,540円(税込)
【著者プロフィール】
坂詰真二(さかづめ・しんじ)
NSCA認定ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト。同協会認定パーソナルトレーナー。「スポーツ&サイエンス」代表。横浜市立大学文理学部卒。株式会社ピープル(現コナミスポーツ)で教育担当職を歴任後、株式会社スポーツプログラムスにてアスリートへのコンディショニング指導を担当。1996 年に「スポーツ&サイエンス」を興し、指導者育成、各種メディアを通じての運動指導などで活躍中。『坂詰式正しい筋トレの教科書』『パートナー・ストレッチ』など著書多数。
公式ブログ:トレーナー坂詰真二のスポーツ&サイエンス
モデル:中馬亜梨沙