1000以上の食材をリサーチ。いちばん栄養バランスのいいパーフェクトフードは「アーモンド」だった
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1000以上の食材をリサーチ。いちばん栄養バランスのいいパーフェクトフードは「アーモンド」だった

2020年09月09日

イギリスのBBCがスコア化した「最強フードランキング」

おうち時間が長くなった昨今、前よりも料理に時間をかけるようになったり、食生活の改善に意識を向ける人が増えているようだ。

 

その一方で、家ごはんの機会が増えたことで、「一日中、キッチンに立っている気がする」とお嘆きのお母さんも少なくないようで、

「‘これだけ食べれば、1日に必要な栄養素はOK’なんていう夢の食材はないかしら……」なんて声も聞こえてくる。

 

そんな超パーフェクトな食品はないにしても、どうやら、助けになってくれる食材はあるらしい。

 

イギリスのBBCのフード取材班が、科学雑誌『PLoS ONE』に掲載された学術論文『Uncovering the Nutritional Landscape of Food』をもとに、1000を超える生の食品を分析してスコア化した、「最強フードランキング」を発表した。

 

 

科学者たちによる採点で重要視されたのは「バランスとコンビネーション」。

他の食品と組み合わせて摂取したときに、1日に必要な栄養素を満遍なくとることを助ける食材であること。

そして特定の栄養素だけが必要摂取量を超えるといったアンバランスを生まないこと。

それ自体の栄養価だけでなく、特に意識せずに食事をしていると不足しがちな栄養素をしっかり含んでいたり、逆に自然と多くとれているような栄養素は過剰になるほど含まれていない、という、実にナイスアシストができる食材ということだ。

 

また、組み合わせることでさらに別の働きをしてくれる栄養素もあり、そのコンビネーションを生み出しやすい要素を持っているかも採点基準になっている。

 

これらの条件をもとに点数化したところ、堂々の第1位に輝いたのは、「アーモンド」だったというわけ。

 

アンチエイジング効果も!? 超パーフェクトな食品・アーモンド

 

アーモンドの栄養成分を見てみると、

 

100g中のカロリーは579kcal

炭水化物 21.55g

たんぱく質 21.15g

脂肪 49.93g

不飽和脂肪酸 31.55g

食物繊維 12.5g

 

【ビタミン】

B1 0.2mg

B2 1.14mg

B3 3.6mg

B6 0.14mg

B9 44μg

E 25.6mg

 

【ミネラル】

カルシウム 269mg

鉄分 3.71mg

マグネシウム 270mg

リン 481mg

カリウム 733mg

亜鉛 3.12mg

 

半分が脂肪分!? という数字にギョっとするが、アーモンドに含まれている脂肪の多くは一価不飽和脂肪酸と呼ばれるもの。

善玉コレステロールを減らさずに、悪玉コレステロールだけを減らすうれしい効果がある。

体内の血液のめぐりを良くするので、心臓の働きを元気に保つことにも役立つし、糖尿病予防にも良いらしい。

 

 

抗酸化作用のあるビタミンEも豊富で、アンチエイジング効果も期待できる。

「健康のために1日アーモンド25粒」というのは聞いたことがあったけれど、1000以上の食材の中から1位になるほど優秀だったとは驚きだ。

 

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ランキング上位には意外なあの食品も

アーモンドとわずか1ポイント差で2位となったのは、「カスタードアップル」。

日本ではあまり馴染みのない果物だが、東南アジアやオーストラリアなどで栽培されていて、アイスクリームのような味がするらしい。

100g中、12.87gと糖分はけっこう多めだけれど、ビタミンA、C、B1、B2にカリウムも豊富に含まれている。

 

ランキングTOP100のうち、4分の3にあたる74品目は、野菜・果物類(ナッツやスパイスも含む)だ。

食物繊維やたんぱく質、α-リノレン酸、ビタミン類をバランスよく含んだスーパーフードの代表格チアシードは5位。

美容にいいと女性に人気のケールは31位だった。

 

面白いのはホウレンソウで、冷凍ものが24位、生が45位と2つに分かれてランキングされている。

「貧血気味のときはホウレンソウを食べなさい」

と言われるだけあって、マグネシウムや鉄分、それもビタミンも豊富な優秀食材だが、生のものを室温で保存しておくと栄養素がどんどん失われていくそうで、冷凍したほうが栄養価が高くなる。

 

 

そして、残りの26食品のうち、25が魚介類。

海水魚でアカウオの一種オーシャンパーチが3位。ヒラメ、カレイなどのカレイ目が4位とハイスコアだ。

コレステロールが高そうな魚卵も38位となかなかの優良食材らしいので、明太子好きには朗報かも!?

 

肉系でTOP100に入ったのはわずか1品目のみで、しかもこれが驚きの「豚の脂」! さらに8位と、堂々のトップ10入りだ。

豚の脂はビタミンBとミネラル類が豊富で、脂質も不飽和脂肪が多く、牛やラム肉などよりもヘルシーなんだそう。

かといって、これは生の状態での栄養素なので、ロースカツや豚の角煮ばかり食べていてはやっぱり偏るだろう。

サラダチキン人気で健康フードの代名詞的存在である鶏肉がランクインしていないのはちょっと意外だった。

 

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イギリスのBBCが発表した最強バランスフードTOP30はこちら

このランキングの狙いは、栄養素の偏りを補うのに役立つ食品を知ることだ。

「最近食事のバランスが悪いかも」いうとき、おやつタイムにアーモンドをかじったり、朝食にピンクグレープフルーツを添えたり、手抜きしたいときはコンビニで買ったサラダにチアシードやチリパウダーをふりかけてみる。

野菜が高い時には冷凍ホウレンソウを利用したり、外食するならお魚メニューをチョイス、といった感じで、日常生活の中でちょっと工夫したいときの参考になりそうだ。

 

 

【最強バランスフード TOP30】

1位:アーモンド

2位:カスタードアップル

3位:オーシャンパーチ

4位:カレイ目

5位:チアシード

6位:パンプキンシード

7位:ビーツ

8位:豚の脂

9位:ビーツの葉

10位:スナッパー(フエダイ)

11位:ドライパセリ

12位:ドライセロリのフレーク

13位:クレソン

14位:タンジェリン(みかんの一種)

15位:グリーンピース

16位:カワカマス

17位:スケトウダラ

18位:スプリングオニオン

19位:赤キャベツ

20位:マダラ

21位:ホタテ

22位:ピンクグレープフルーツ

23位:たんぽぽの葉

24位:冷凍ホウレンソウ

25位:チリパウダー

26位:バジル

27位:カラード(青菜)

28位:あさり

29位:チリペッパー

30位:ラピニ(ブロッコリーラーベ)

 

【出典】

The world’s most nutritious foods – BBC Future 

※BBC記事の参考文献は、科学雑誌『PLoS ONE』に掲載された学術論文『Uncovering the Nutritional Landscape of Food』。

栄養素のデータは、米国農務省国民栄養データベースを基にしたもの。

栄養学については、『The Encyclopaedia of Food and Health (2016)』を参照とのこと。

 

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