出血、いぼ、かゆみ…人に相談しづらい肛門のトラブル|6つの症状からおしりの悩みを解決
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出血、いぼ、かゆみ…人に相談しづらい肛門のトラブル|6つの症状からおしりの悩みを解決

2023年05月26日

痔の半数を占める「いぼ痔」

実は成人の3人にひとりが経験するといわれている「痔」はだれでもなりうる病気の一つです。
痔全体としての患者数は男女ともに同数程度です。
いぼ痔とも呼ばれる「痔核」が男女ともに約半数を占めるかかりやすい痔とされています。また男性は「痔瘻(あな痔)」、女性は「裂肛(切れ痔)」にかかりやすいといわれています。
そもそも「痔」とは肛門やその周囲に発症する疾患の総称で、肛門の三大疾患と呼ばれ症状は「痔核」「裂肛」「痔瘻」の3種類に分類されます。
「痔瘻(いぼ痔)」は、肛門にいぼ状の腫れものができた状態です。主な症状は、腫れや痛み、排便時の出血などが挙げられ、内側にできる「内痔核」と外側にできる「外痔核」に分けられます。
内痔核は、歯状線より上(直腸側)の静脈叢がうっ血して腫れた状態で、できただけでは痛みは伴いませんが、強くいきむと肛門の外に「脱出(脱肛)」することがあります。症状によりⅠ度~Ⅳ度の4段階に分類されます。
Ⅰ度:出血が主で肛門の外に脱出しない
Ⅱ度:排便時に脱出するが、排便後自然に戻る
Ⅲ度:脱出後、手で押し込まないと戻らない
Ⅳ度:排便と無関係に常時脱出している
脱出した痔核に血栓ができると「嵌頓痔核」腫れていぼ状になると「血栓性外痔核」と呼ばれ激しい痛みを伴います。

「痔核(あな痔)」は、直腸内のくぼみに細菌が感染し、肛門周囲に膿が溜まり肛門周囲の皮膚へとつながるトンネルができてしまった状態を指します。
主な症状は肛門の周囲が赤くはれて痛む、高熱や肛門周辺の皮膚から膿が出るなどが挙げられます。男性は女性の4倍かかりやすいといわれています。
悪化すると「肛門周囲膿瘍」になり、肛門腺への細菌の感染を排除しない限り、再発し繰り返す可能性の高い痔です。
自然治癒はほとんどないため手術による治療が必要となります。

「裂肛(切れ痔)」は、肛門の出口付近の皮膚が切れた状態です。神経があり強い痛みを伴います。主な症状は、軽い痛みと出血、肛門の違和感で、慢性的な便秘になりやすいため20~40代の女性に多く見られ、男性の1.5倍かかりやすいと考えられています。
硬いうんちが肛門を通り過ぎるときに皮膚を傷つける「急性裂肛」と潰瘍状の深い傷
ができる「慢性裂肛」の2種類が存在します。
慢性裂肛が悪化すると、ポリープや肛門側の皮膚が盛り上がる見張りイボができることがあります。
そのほか肛門上皮が引っ張られてできる「脱出性裂肛」、クローン病などが原因の「症候性裂肛」が存在します。
「痔」は、恥ずかしさから病院を受診しない人もいるため、実際の患者数はもっと多いと考えられています。