16時間食事を制限する「プチ断食」「間欠的ファスティング」で毎日のQOLが上がった理由
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16時間食事を制限する「プチ断食」「間欠的ファスティング」で毎日のQOLが上がった理由

2020年07月27日

ここ最近ダイエット業界でも「プチ断食」や「8時間ダイエット」という言葉を聞くようにもなってきました。

筆者も栄養士として断食(ファスティング)を指導する仕事をしており、プチ断食を生活の中に取り入れています。

そこで今回は栄養士の僕が16時間ファスティングやプチ断食を生活に取り入れている理由を紹介します。

 

16時間断食(間欠的ファスティング)とはどんなものか

 

断食やファスティングのことをあまり知らない方へ、まずは断食の種類と16時間ファスティングについてご説明します。

断食とは食べない時間を一定期間作ることで体の調子を整えたり、空腹によるカラダの中での生体反応を引き出す方法です。

断食という考え方は昔からずっと存在しており、長らく健康療法として使われてきました。

断食のやり方にはさまざまな方法がありますが、大きく分けると

 

・短い時間の断食を定期的に繰り返す間欠的ファスティング(Intermittent fasting)

・断食を長時間(3〜7日間)行うロングファスティング

 

に分かれます。

今回紹介する16時間断食は間欠的ファスティングです。

1日のうち16時間を断食し、食事は8時間以内にまとめて食べるという方法論です。

例えば午前9時に朝食を食べたら、16時までに1日の食事を済ませ、他の時間は固形物を取らずに過ごします。

すると、1日のうち16時間は何も食べない時間を作り出すことが出来るので、睡眠時間も含めて1日のうち16時間を断食することが出来ます。

この生活を一定期間続けるのが16時間ファスティングです。

この16時間ファスティングを続けることで僕自身も毎日の生活のさまざまな場面でのQOL(Quality Of Life)の向上を感じています。

 

そもそもなぜ体がだるいのか

 

人間のカラダはみなさんが思っている以上に消化や解毒にエネルギーを使います。

食べ物は数時間かけて消化吸収されると言われています。

食べるという行為には大してエネルギーを使いませんが、消化を行い食べたものをカラダに取り込む、もしくは食べたもののなかで身体に不要なものは解毒して排泄するというように内臓は働いてくれます。

そのため、食べ過ぎた後は消化や解毒をしないといけないものが多く、カラダにとって非常に負荷がかかります。

 

つい夕食に食べすぎてしまったり、アルコールを飲みすぎてしまったりすると、翌朝の目覚めが悪いなんて経験をされたことがある人も多いのではないでしょうか?

これは夕食に食べたものが、寝ている最中も胃の中で消化を行っているために眠りが浅くなるのが原因の一つです。

つまり、食べすぎは逆に疲れを生んでしまうのです。誰だって休まずに働いていたら疲れますからね。

自分は休んでいるつもりでも、内臓は働き続けているということはおおいにあります。

 

16時間ファスティングでカラダがグッとラクになった

 

ファスティングを実際に自分でやるようになる前は、僕自身もそんな状態でした。

夕食でお腹いっぱい食事を食べ、翌朝はカラダが重くて疲れが取れておらず、うなだれながら布団から這い出すような生活をしていました。

なかなか疲れが取れず、とにかく朝に弱いタイプで、常にカラダ重い感じがありました。

しかし、ファスティングを取り入れ始めてからグッとカラダがラクになった感覚があります。なにより、日中はだるさを感じることが減りました。

 

それまでは栄養士として「食べることでカラダが元気になる」というの考え方を持っていたので、その事実は少しショッキングではありました。しかし、ファスティングについて勉強することでなぜカラダが楽になるのかも理解できました。

もちろん今でも仕事が忙しくなると疲れを感じたり、カラダのだるさを覚えることはあります。

でも、そうした時は16時間ファスティングやプチ断食をすることで体調を整えています。

 

寝起きのすっきり感がすごく気持ちいい

 

具体的に16時間ファスティングを生活に取り入れてどのようなメリットがあったか。

まずは、寝起きが変わりました。

今までは目が覚めても中々布団から出ることが出来ず、だるさを覚えながら身支度をするというのが当たり前でした。ところが、ファスティングを取り入れることで寝起きがよく、起きてからすぐに動けるようになりました。

 

先ほども書いたとおり、睡眠中に内蔵が休まらずにいると、寝ている間にカラダを休めることが出来ません。

16時間ファスティングでは夕食を早めに済ますことが多くなるため、睡眠中に内蔵を休めていることになります。結果的にカラダがしっかり休まるので朝もスッキリと目覚めることが出来るのです。

 

午前中の集中力がアップ

 

朝、スッキリ起きれると、当然ながら午前中の集中力がアップします。

僕は朝5〜6時くらいには起きて、本を読んだり、原稿を書いたりして朝を過ごします。

16時間ファスティング中は昼前くらいまでは食事を取らないため、消化吸収にもエネルギーを使わず、血糖値も安定しやすくなるため、しっかりと集中して仕事に取り組むことが出来ます。

 

空腹時はオレキシンというホルモンが増えることがわかっており、このオレキシンは覚醒状態を維持する働きを持っています。

野生動物が腹を空かせながら獲物を狩るときにもこのオレキシンが働き、闘争心を沸き立たせていると言われています。

カフェインに頼らずに、覚醒状態で仕事に取り組むことが出来るのです。

こうした意識状態にいるおかげで、午前中は充実した気分で過ごすことができ、圧倒的に仕事のパフォーマンスを向上させ、生活の質を向上してくれています。

 

お腹が空っぽな状態にすることで、活力が湧いてきた

 

何時間も食事を取らない状態で排便があると、正真正銘お腹が空っぽな状態になります。この空っぽ感がなんとも言えないすっきり感を覚えます。

とにかくカラダが軽く感じます。

さらに、お腹が空いてお腹がグーっとなると活力がみなぎってくる合図なのです。

みなさんもお腹が鳴りに鳴って、「お腹が空いた状態」を通り越してしまうと、一旦空腹が収まる現象を体験したことはないでしょうか?

これにはホルモンの変化が関与しています。

お腹がグーとなって少し時間が経つと、若返り若返りホルモンと呼ばれる成長ホルモン(グレリン)が分泌されます。

 

成長ホルモンには代謝を高めたり、筋肉量を増やしたり、脂肪分解を促進させるという効果があります。

このグレリンが分泌され始める頃から、カラダの中で細胞の修復や糖質以外からのエネルギー生産が始まります。

こうした生体反応が起こり始めると断食時に特有の活力が湧いてきます。

 

疲れた身体をファスティングでリセット

 

栄養士という仕事柄、食生活は毎日完璧で生活リズムも良いと思われがちなのですが、僕自身はお酒も好きだし、居酒屋めぐりも好きなのでお店をハシゴしてしまったりもします。

そうしているとだんだん生活リズムは崩れて、身体にも疲れが溜まってきます。

でも、そんな時こそ16時間ファスティングや丸1日間のプチ断食を行うことで乱れた生活リズムや乱れた身体のコンディションを整えるようにしています。

16時間ファスティングを始めると、朝早くにスッキリと起きて、午前中からバリバリ働くようになります。

すると、自然と夜は眠くなり、すっと眠りにつくことが出来ます。

こうして16時間ファスティング中は生活リズムが整っていきます。

 

同時にカラダの調子も整うため、日常のさまざまな場面で生活の質の向上を感じることができます。

そんなわけで、僕は生活のリズムが乱れた時は間欠的ファスティングを実践しているわけです。

次回はさらに16時間ファスティングの詳しいやり方や僕のアレンジ方法などもお伝えしていきます。