肩こり体質なデスクワーカーにとにかく試して欲しい「手湯(てゆ)」と「合谷(ごうこく)」
2020年07月06日そもそも「肩こり」はなぜ起こるのか
「完全リモートワーク」とまではいかなくても、部分的なリモートワークは今後も、さまざまな職場で定着していきそうです。
環境が変われば、もちろん、身体にも影響を及ぼします。デスクワーカーの健康上の悩みで特に多いのが、肩こりと腰痛です。かくいうぼくも肩こりがひどいので、リモートワークでこれ以上カラダがガチガチになるのは、ちょっと勘弁してほしい……。
そこで、今回は肩こりのケアについて、京都の東本願寺のすぐそばで、お灸専門の治療院を開業している、鋤柄誉啓先生(お灸堂院長)に聞いてきました。
鋤柄先生によると、リモートワークが一般的になってから、「肩こりがひどくなった気がする」という患者さんが増えているそうです。なぜ、そのような不調が起きるのでしょうか。
鋤柄先生:東洋医学では、気の巡りが滞ると不調が起きるとされています。長らく続いた自粛生活のストレスや運動不足が、身体の気の巡りを悪くしていると考えています。通勤や通学のような何気ない移動が、実はストレスの解消やちょっとした運動になっていたのかもしれませんね。
——なるほど。1日あたりの運動量が減ったり、行動範囲が狭くなったりして、気の巡りが悪くなっているのは、なんとなく実感としてあるかも。日々の通勤も積み重ねれば、立派な運動になっていたんですね。
鋤柄先生:肩こりがひどくなると、腕や手までこりが生じます。これは、肩から腕、手にかけては経絡というルートでつながっているからなんですね。ためしに腕や手を握手くらいの力で揉んでみてください。固い、痛い、張りがある状態はめぐりが悪いサインです
——やってみると、たしかに肩だけではなく、腕も張っています。今まで気づきませんでしたが……。
鋤柄先生:気の巡りが悪くなっておこる肩こりについては、手や腕のケアがおススメですよ。簡単な方法は手湯です。
肩こりに悩まされたら「手湯」をためそう
風呂桶に熱めのお湯をはって、数分ほど手をつけておく。
それだけで、手から順番に腕、肩、首と温まって、コリがゆるんでいくとか。
「血流が良くなるので目や呼吸も割とスッキリしますよ」と鋤柄先生。
鋤柄先生:コリがきつい時はお灸やマッサージもありなんですけど、マッサージは自分ですると気持ちよくないし、お灸でも良いんですけど、少し準備が必要です。家なら風呂桶はあると思うので手湯はすぐにできて効果的ですよ。
もし、外出先など手湯ができない状況の場合は、ツボの刺激を行うとよいそうです。
代表的なのは合谷(ごうこく)というツボ。
肩こり体質のデスクワーカーに試して欲しいツボ「合谷(ごうこく)」
場所は、手の甲のみずかきのあたり。
人差し指の骨の際を指先でなでるとくぼんでいるところがありますので、そこに取ります。
鋤柄先生:「ツボ」と聞くと、ついつい強く押したくなってしまう人が多いのですが、強く押さないと効いた感じがしない場合は、ツボを上手に探せていない場合が多いです。ツボ刺激の強さの目安は、みかんやアボカドを握ってつぶれない程度。けっこうソフトでしょう?
このツボにかぎらず、腕や前腕は柔らかい方が方も楽になるとのこと。
まずは、身体のコリがあるところに敏感になって、ほぐしていくようにしましょう。
きっと肩こりにもよい影響があるはず。なにしろ、経絡で全身はつながっていますからね。
次回は、腰痛へのセルフケアを紹介したいと思います。
【監修】
鋤柄誉啓先生(お灸堂院長)
【取材協力】
お灸堂
住所:京都府京都市下京区平野町787-1
TEL:075-203-7601