「塩分取りすぎ」の症状と対策とは? 慢性的な症状の場合、一時的な症状の場合に分けて解説
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「塩分取りすぎ」の症状と対策とは? 慢性的な症状の場合、一時的な症状の場合に分けて解説

2021年10月14日

「塩分取りすぎ」が健康に良くないのはよく知られています。

ところで「塩分取りすぎ」には2種類あります。ふだんから取りすぎの場合と、一時的に取りすぎてしまった場合です。

では、それぞれの「塩分取りすぎ」では、どのような症状が出るのでしょうか? また、どのようにして対策を打ったらいいのでしょうか?

この記事では、慢性的な症状の場合・一時的な症状の場合で、それぞれの「塩分取りすぎ」の症状と対策・対処についてまとめます。

 

塩分の取りすぎ①慢性的な場合の症状

慢性的に塩分を取りすぎている場合、次のような症状が現れます。

 

  • むくみ
  • 味がわかりにくい
  • 高血圧、不整脈

 

塩分を取りすぎると、体内の塩分の濃度を保とうとして身体は水分を溜めこもうとします。そのため身体がむくんでしまうことがあります。

また強い塩気に舌が慣れてしまうと、味を感じるセンサーの「味蕾(みらい)」の機能が低下して味を感じにくくなります。

その結果、さらに強い刺激を求めるようになってしまいます。

 

さらによく知られているように、塩分の取りすぎは高血圧の原因になります。

塩分の取りすぎで体内の水分量が増えると血液量も増えます。それにより血管に強い圧力がかかるからです。

そして高血圧は不整脈の原因になりますので注意しましょう。

 

慢性的に塩分を取りすぎているときの対策

摂取する塩分を減らすことと、塩分を体内から排出することの2本立ての対策が必要です。

前者の「減塩」は食事、後者の「排塩」は食事と運動で行うことができます。

また、運動は塩分の取りすぎが原因の症状を改善するのにも効果があります。

では、具体的に見ていきましょう。

 

慢性的な塩分取りすぎの対策①食事・飲み物

まず第一に食事から摂取する塩分を減らしましょう。そもそもの原因の解決ですね。次のような方法があります。

 

  • 調味料はかけずにつけながら食べるようにする(つけた方が塩気を感じやすいので使う量を減らせる)
  • 加工肉や練りものなど加工食品を避ける(製造の段階で塩分が添加されている)
  • 塩を減らして酸味・辛み・うま味で味付けする(塩気以外の味でバリエーション・満足度を上げる)
  • スープを飲み干さない・具を増やして汁を減らす(スープは塩分が高い)

 

摂取する塩分を減らしつつ、塩分を身体の外に出す方法も組み合わせましょう。

カリウムには塩分を体外に排出するはたらきがあります。カリウムは野菜・果物に多く含まれるので、意識して取りましょう。

 

また利尿作用のある飲み物を飲むと、水分とともに余計な塩分を排出させることができます。

緑茶や麦茶・コーヒーにはカリウムも含まれており、さらに排出効果が期待できます。

緑茶はとくに玉露の方がカリウムが多く含まれていておすすめです。

 

ただしカリウムについては、腎機能が低下しているときは医師に相談しましょう。

カリウムをうまく排泄できず「高カリウム血症」になる可能性があるからです。

カリウムのほか、牛乳やヨーグルトに含まれるカルシウムにも排出作用があります。乳製品もおすすめです。

 

・【参考記事】「調味料の上手な使い方」|e-ヘルスネット|厚生労働省

 

慢性的な塩分取りすぎの対策②運動

さらに有酸素運動を行うのもおすすめです。汗といっしょに塩分を流し出すことができます。

そのほか血液の循環がよくなるので、むくみや高血圧・代謝低下を予防・改善することができます。

 

塩分の取りすぎ②一時的な場合の症状

塩気の強い食事を取ってしまったときなど、一時的な塩分取りすぎの際には次のような症状が見られます。

 

  • のどの渇き
  • むくみ
  • (ひどい場合)頭痛

 

体内の塩分量が増えると体内の塩分濃度も高くなります。高い濃度を下げて通常に戻すため、身体は水分を欲します。

また、慢性的な場合と同じくむくみも起こります。塩分濃度を下げないよう水分を溜めこもうとするからです。

急激に体内の塩分濃度が上がると、脳内もむくんだような状態になり頭痛になる場合もあります。

 

【参考記事】高血圧性頭痛とは|頭痛や肩こりは要注意?高血圧の自覚症状とリスクを解説|生活習慣ケアコラム|Livita|大正製薬商品情報サイト

 

一時的に塩分を取りすぎてしまったときの対処

まず、食事から塩分を取りすぎたせいで急性の危険な状態に至ることはまれです。安心してください。

 

ただし、調味料そのままなど濃縮した形での大量摂取は危険です。

生命の危険に至る塩分の量は、体重1kgに対して0.5~5gと言われています。

体重60kgの人なら60×0.5=30g以上ということです。30gの塩は大さじ2弱に相当します。

 

大量摂取した場合はすぐに医者へ行きましょう。急激に血液中のナトリウムイオン濃度が上昇すると、臓器に致命的なダメージを与える場合もあります。

一時的に取りすぎたとしても、急を要する量でなければ自分で対処できます。

塩分を体内から排出することと、体内の塩分を薄めることの両面から対処しましょう。

 

【参考記事】「食塩過剰摂取により食塩中毒を来した1例(A case of intentional massive table salt ingestion)」|日本救急医学会雑誌|Wiley Online Library

 

 

一時的な塩分取りすぎへの対処①食事・飲み物

基本的には慢性的な場合と同じですが、食事や飲み物では塩分を排出することをとくに意識しましょう。

前提として、取りすぎた後の塩分摂取は控えめに。当然ですね。

 

 

体外に塩分を排出するはたらきのあるカリウムやカルシウムを多く含む食品を食べましょう。

カリウムは、アボカドやほうれん草・小松菜などの野菜や、バナナやメロン・キウイなどの果物に多く含まれています。

とくにドライバナナ・ドライマンゴー・干し柿など、ドライフルーツにはより多く含まれていておすすめです。

 

なおカリウムは水溶性です。水にさらしたりゆでたりせず、加熱する場合は電子レンジを使うと効率よく摂取できます。

乳製品に多く含まるカルシウムにも塩分を排出するはたらきがあります。牛乳やヨーグルトなどを食べても効果的です。

 

また利尿作用のある飲み物を飲むと、一緒に塩分も排出されます。緑茶(とくに玉露)・麦茶・コーヒーなどは、利尿作用も期待できるほかカリウムも含まれているのでぴったりです。

 

【参考記事】「過剰摂取がもたらすもの」|塩分を摂りすぎるとどうなるか?|Vol.46:賢く摂ろう、塩分 からだに不可欠、でも病のもと・・・?||豊橋ハートセンター

 

 

一時的な塩分取りすぎへの対処②運動

運動して汗をかくと、汗といっしょに塩分も排出することができます。

ただし運動の場合は水分も忘れずに補給しましょう。体内の塩分濃度を薄めるイメージです。

塩分取りすぎは対処できますが、ふだんから塩分を取りすぎないよう注意するのが一番です。

これをきっかけに、減塩・排塩生活を意識してみてはいかがでしょうか?

 

・【参考記事】1日あたりの適切な「塩分」の摂取量と筋トレ・ダイエットとの関係をまとめてみた | カラダチャンネル