【動画】ズンバの次はコレ!?スウェーデン発のエクササイズ「スウェーディッシュ・ジム」が気持ちいい
2020年11月02日ヨーロッパで大注目のフィットネス・プログラム
ロックダウンを機に、YouTubeのダンスエクササイズを日課にする人が増えている。
世界的に人気となったズンパにはまった人も多いと思うが、パリやロンドンなど、ヨーロッパでじわじわと人気が出てきているのが、先日、『Marie Claire』誌でも紹介された「スウェーディッシュ・ジム(スウェーディッシュ・フィット)」と呼ばれる、スウェーデン発のエクササイズだ。
スウェーディッシュ・ジムの大元となっている健康目的のエクササイズは、スウェーデンで「体育教育の父」と呼ばれる、ペール・ヘンリック・リング氏が19世紀に提唱したもの。
教育法を専門としていた彼は、運動を万人にうまく教えるにはどうしたらよいかを考え、教育・医学・軍隊・美容という4つの目的に応じた運動法を編み出した。
ちなみにリング氏は、スウェーディッシュマッサージを確立した人物でもある。
その後、体育教育の専門家ヨハン・ホルムセテール教授が、1978年に国民の健康維持を促進する非営利団体“Friskis & Svettis”を設立した際に、理学療法士や医師らとコラボレーションしてスウェーディッシュ・ジムの原型をつくった。
なんとなく、「スウェーデン版ラジオ体操」のようなものだったのかと想像する。
「ノれる音楽」で誰もが楽しんで行えるエクササイズ
フランスには現在スウェーディッシュ・ジムのスタジオが80以上ある。
その中のひとつで、フランス以外にベルギー、イギリス、スイスでも展開している創業27年の古株「Swedish Fit」のテクニカル・ダイレクター、ダニエル・クーリー氏によれば、スウェーディッシュ・ジムの定義とは、「スポーツと健康維持を、誰もが参加でき、かつ楽しみながらやれる形にしたもの」だという。
そのために欠かせないのが「ノれる音楽」。
クーリー氏のスタジオでも、ポップミュージックからロック、パンク、はたまたクラシック音楽まで、誰の好みにも合うよう選曲に工夫をこらしているそうだ。
スタジオでは、理学療法士とも提携して、それぞれの体型や運動能力にあったコースを提供していて、75分間の持久力を養うコースや、有酸素運動強化型、体幹を鍛えるコア系、ストレッチやヨガ、ピラティスの動きを取り入れたもの、よりダンスの要素が多いもの、など、いろいろあるらしい。
インストラクターの手引き書には500種類ものムーブが記されていて、どれも理学療法士によって安全性や機能がチェックされている。
1回で700kcalも消費するエクササイズも!
では実際、スウェーディッシュ・ジムはどのようなものなのか。
ノリの良い音楽に合わせてエクササイズする、というのはエアロビクスとほぼ同じだが、スウェーディッシュ・ジムの一番の特徴は、1回のコースが、
- ウォームアップ
- 有酸素運動
- 筋トレ
- ストレッチ
の4つのパートで構成されていることだ。
レベルによって負荷はさまざまで、1回で400から700kcalも消費するものもあるというから、ダイエットにも適している。
同じ動きを繰り返すことなく飽きずに最後まで続けられ、かつ誰もができるシンプルな動作であることが大前提だ。
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5分も行えば「汗タラタラ」に
さっそく、YouTubeでみつけた30分間のベーシックコースを試してみた。
全体運動から、心拍数を徐々にあげていくダンス系の有酸素運動までで約10分、その後、おもに床での筋肉系トレーニング。
ここまで約23分は休みなしに続き、そのあと短い休憩をはさんで、全身ストレッチでしめくくって計30分。
ダンス系の有酸素運動は、一見ありがちな動きだが、足をまっすぐ下げるところを斜めにしてみたり、細かいステップが組み込まれていたり、変わった腕の動きが組み合わされていたりと、ひとひねりある。
そしてこの「ひとひねり」がものすごく効く感じで、それほど動いた感じはないのに5分もしたら汗タラタラ。
テンポよく次の動きに移っていくので、動きに慣れた頃にはもう次、というのも中にはあったが、とりあえず体を動かしていればOKな感じだ。
筋トレのパートは、リバースクランチやサイドプランクの応用系など。
こちらも、おなじみのワークアウトの動きに、面白い腕の動きを加えるなどひとひねりしてあって、けっこうきついのもあったが楽しく動ける。
最後の全身ストレッチも気持ちいい。
YouTubeのダンスエクササイズ愛好者には、10分くらいの有酸素運動や筋トレ系などをいくつか組み合わせて3~40分くらいやりたい、という人が多いと思うが、ひとつのコースでうまく全部を網羅しているスウェーディッシュ・ジムはそんな人たちにもぴったりだ。
それに、うっすら筋肉がついたしなやかな体型をつくってくれそうな動きが多くて、とくに女性にはおすすめな気がする。
“健康目的のエクササイズ”と聞いていた先入観もあってか、終わってからシャワーで汗を流した後の爽快感もハンパなかった。
楽しくやることを目的としたグループエクササイズ
このご時世ではスタジオ通いもままならないが、本来スウェーディッシュ・ジムは、インストラクターを囲んでみんなで楽しくやることも目的としたグループエクササイズだ。
鏡で自分のポーズをチェックしながらやるのではなく、見た目の良し悪しは気にせず(体に負担をかける悪いポーズはダメだが)、自由にのびのびと、老若男女それぞれが自分にあった強度でやれることも特徴としている。
スウェーデンでは、健康促進のためのスポーツは国民健康保険が適用されるそうで、スウェーディッシュ・ジムも保険適用なんだそうだ。
▲フランスのスタジオの25周年を祝ってパリ市庁舎前でイベント
ペール・ヘンリック・リング氏の夢は、「体育教育が、体を鍛えることと同時に、体を動かす楽しさや競技者のスピリットを体感できるものになってほしい」とうことだったという。
楽しく動いて健康を維持する北欧発のスウェーディッシュ・ジム。
気になった人は、ぜひYouTubeでチェックしてみてほしい。