【メンタルヘルス】パーソナリティ理論「交流分析」を知ると、人間関係がもっとラクになる
  • Hatena
  • Twitter
  • Facebook
  • Instagram
  • YouTube

【メンタルヘルス】パーソナリティ理論「交流分析」を知ると、人間関係がもっとラクになる

2020年07月09日

「交流分析」を知ることで、人間関係がスムーズに、気持ちもラクになる

あなたの職場の上司から、こんなことを言われたとします。

「○○君、キミに頼んでいたこの報告書、ここの要素が少し足りないね。この部分の数字を追加して、ちょっとだけつくりなおしてくれるかな?」

こう言われたとき、あなたはどんな感情を抱くでしょうか。

 

①「ああ、また部長からミスを指摘された。俺はなんて仕事のできないダメなヤツなんだ」

②「この大事な報告書の作成を任されているということは、自分は部長から期待されているんだ。頑張らなくちゃ」

 

たった1つの会話のやりとりでも、このように肯定的に受け止める人と、否定的に受け止める人がいます。

 

あるいは、逆にあなたが上司の立場だったとして、あなたの真意は部下の仕事を評価し、期待しているにもかかわらず、あなたの言葉を①のように受け止めてしまうタイプだったらどうでしょうか。

 

人間関係って、大変ですよね。

 

ベストセラー書籍、『嫌われる勇気』(岸見一郎/古賀史健 著)で広く知られた心理学者、アフルレッド・アドラーが「すべての悩みは対人関係にある」と言っていたことを思い出す毎日です。

 

職場の同僚、家族、パートナーとのコミュニケーションがうまくいかず、モンモンとした思いで毎日を過ごしている人は、心理学のパーソナリティ理論「交流分析」を知ることで、人間関係をスムーズに、気持ちをラクにすることができます。

 

有名大学教授陣が検証済み。多くの整形外科医も警鐘する。最新のストレートネック枕

人の心を育む「ストローク」とは

交流分析は、アメリカの精神科医であるエリック・バーン博士が作った心理学理論。

自分と他人との交流パターンの分析がベースになっています。

 

 

 

交流分析の重要なキーワードの1つが「ストローク」。

 

ストロークとは「相手を認める言動」のこと。

人間が生きていくのに必要な「心の栄養」とも言われています。

 

たとえば、赤ちゃんの場合。

 

 

親を始め、周囲の大人たちの胸に抱かれ、心地いいぬくもりを感じながら、「かわいいね」と声を掛けられることで、「自分はここにいていい」という自己肯定感、生きていく自信を体感的に身につけていきます。

 

赤ちゃんにとって、周囲の大人たちの温かな言動は、生きていくのに必要な心の栄養=ストロークなのです。

 

とはいえ、ストロークは必ずしも肯定的なものだけではありません。

自分の存在が否定されるような、受け入れがたい、マイナスのストロークもあります。

 

それでも人は、ストロークを求めてしまう。

「批判より無視のほうがツラい」とよく言いますが、他人との関わりなしに、人は生きていけないのですね。

 

有名大学教授陣が検証済み。多くの整形外科医も警鐘する。最新のストレートネック枕

人の言動には「3つの自我状態」が混じり合って表れる

 

この、ストロークによって育まれる心の成り立ちを「自我状態」と呼び、エリック・バーン博士は、以下のような三層構造で表しています。

 

① 親(P):親のように自分や他人を律したり、支援、受容する。おもに、親や先生のような人との交流体験に影響される

② 大人(A):冷静な判断、計画で現実に対応する。現在の意識、体験を表す

③ 子ども(C):自由奔放に自由にふるまう。子ども時代の体験から生得する

 

私たちの具体的な言動には、これら3つの自我状態が、その時々の状況ごとに、複合的に入り混じって表れます。

思慮分別のある大人が、いきなりはしゃいだり、すねたりことがあるように。

 

 

そして、P、A、Cの3種類の自我状態にもとづく心の働きは、5種類にモデル化されています。

 

① 支配的な親(CP):信じる価値観を譲らない。ルールを守ることを厳格に求める

② 養育的な親(NP):育成的で愛情深く、保護的に働く

③ 大人(A):現実に対して理知的、合理的に判断する

④ 自由な子ども(FC):自己中心的、自由奔放にふるまう

⑤ 順応した子ども(AC):他者評価に従順で、協調的に行動する

 

人の個性は、これら5種類の自我状態の働きから生じ、その時々の行動や発言に表れます。

そしてその個性の違いは、生まれてからの、親や周囲の人との関わりの歴史、言い換えれば、ストローク交換の歴史の違いから生じているとも言えるのです。

 

「ストロークを変える」=「人間関係が変わる」

 

人の個性、性格や行動に強い影響を与えるストロークですが、相手への与えかたを変えることで、人間関係も変わっていきます。

ストロークには、大きく分けて「肯定的ストローク」と「否定的ストローク」があります。

 

肯定的ストロークは、「愛している」「優れている」「楽しい」「役立つ」といったような、相手の存在を肯定するストロークで、受け取った側は自尊感情を得ることができます。

 

一方、否定的ストロークは、相手の存在を否定するストローク。

「愛されていない」「能力が劣る」「つまらない」「役に立たない」というような言動を受け取った側は、自尊感情が低下し、与えられ続ければ、心身に異常さえきたします(パワハラによるうつ状態は、その最たる例です)。

 

では、人間関係を良好にするためには、どうすればいいのか?

 

 

「○○君、キミに頼んでいたこの報告書、ここの要素が少し足りないね。この部分の数字を追加して、ちょっとだけつくりなおしてくれるかな? キミならできるよ

 

このように、「キミならできるよ」などの無条件の肯定的ストローク伝えることで、部下は「私は信頼されている」と感じ、互いにいい関係を育むことができます。

相手を批判したり注意しなければならない場合でも、肯定的ストロークを付け加えるように心がければ、相手の態度は変わってきます。

ストロークにはブーメラン効果がありますから。

 

より詳しく、「交流分析」について知りたい方は、下記の参考記事を訪れてみてくださいね。

 

【参考記事】
・厚生労働省(こころの耳): eラーニングで学ぶ15分でわかるはじめての交流分析1
・厚生労働省(こころの耳): eラーニングで学ぶ15分でわかるはじめての交流分析2